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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

INDEX|77ページ/160ページ|

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感謝



「意識が戻られたようですな」
 目を開くと、丸いメガネをかけた男の顔があった。年齢は五十歳くらい。額が広く、利発そうな雰囲気だった。
 ここはどこだろう。全身が痺れるような感覚に包まれている。
「ミカワさん。あなたは職場である銀行へ向かう途中、事故にあったのですよ。憶えていますか」
「事故ですって」
「ご心配なく。あなたの命はこの通り、私が救いましたので」
 ようやく事情が呑み込めた。この男は医者で、ここは病院なのだ。
 右手を動かそうとしたら、鋭い痛みが走った。どうやら骨折してしまっているらしい。利き手なので、仕事に支障が出るだろう。
 医者が言う。
「あなたが助かったのは奇跡ですよ。とんでもない事故だったのです。たとえ私より優れた医者だったとしても、手術に失敗したかもしれませんでした。あなたは運よく生きのびたのです」
「そんな大事故だったのですか。ああ、頭が痛い。思い出せそうな気がしてきました……」
 ミカワの頭の中に、映像が流れた。そうだ、自分は仕事に遅刻しそうになっていたのだ。歩行者用の信号は赤だったのに、それを無視して道路に飛び出したところを、車に轢かれた。
「道路の中央分離帯にあった植え込みが、クッションになってくれたのです。もしもそれがなかったら、あなたは地面に全身を強く打ちつけて死んでいるところでした」
「そうだったのですか」
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ