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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

INDEX|73ページ/160ページ|

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再来



「私のかわいいトーマス……。なぜお前は変わってしまった」
 ジョージは写真立てを前に、頭を抱えていた。そこには彼の孫であるトーマスの、幼き日の写真がおさめられている。幸せそうな笑顔をしていた。
 現在、トーマスは十六歳。髪をまっ黒に染め、からだじゅうにタトゥーを刻み込んでいる。小さなころの面影は、どこにも残っていなかった。
 先日、ロンドンにある息子たちの家を訪ねたときのことだ。孫の部屋をのぞいてみると、そこには趣味の悪いホラー映画のポスターが貼られていた。それだけなら、まだいい。壁にはナイフを突き刺した跡がいくつもあった。灰皿から吸い殻があふれ、酒の瓶がそこらじゅうに転がっている。中身が空になった注射器も落ちていた。
 ここのところは、趣味である研究に没頭していたため、ジョージは孫のことをすっかり忘れていた。少し見ないあいだに、どうしてここまで変わってしまったのか。
 息子が言った。
「きっと悪い友だちを持ったんだ。そうに決まってる」
 義理の娘が言った。
「この前、私にナイフを突きつけたんですよ。『俺に関わるな』なんてことを言って……」
 息子の言う通り、悪い友だちの影響だろう。そうでなければ、あの心優しいトーマスが煙草や酒や薬物に溺れるはずがない。家族にナイフを向けるなど、考えられない。
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ