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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

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「最近、おまわりさんが増えたような気がするわね」
 妻が指さす先を、パトロールカーが走っている。妻が歩く足を止めるので、わたしも仕方なく立ち止まった。
「今日だけで、もう三回も見てるわ。これって多くないかしら?」
「偶然だろう」
 日曜日、妻と買い物へ出かけた帰りだった。わたしは無感情にパトカーを眺めた。警察に怯えていたのは、昔の話だ。
「でもね、あなた。おまわりさんが増えているように感じるのは、あながち間違いじゃないのよ。ほら、名前は忘れたけど、気の強い政治家さんがいるでしょ。からだがすごく大きい人」
 わたしも名前は忘れていたが、妻が誰のことを言っているのかは分かった。肉体改造を趣味とする、やたらと図体のでかい政治家だ。
 妻が言う。
「あの人がね、テレビで言ってたわ。これまでの警察は閉鎖的だったから、どんどんいろんな人を雇って新たな警察を作りましょうって。たとえ過去に悪いことをしていても、どんな宗教団体に入っていても、平等に雇用するんですって。開放的な警察を目指すのよ」
「ふうん」
「つまり、警察官をもっと増やして、悪い人の居場所を奪っていきましょうってことなの。すごいと思わない?」
「そうかもしれないな」
「ねえ、あなた。強がっているけど、本当は今でも警察が怖いんでしょ? 大丈夫よ。警察もあんな昔のことはきっと忘れてるから」
 妻は、いたずらっぽく笑った。
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ