小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 http://2.novelist.jp/ | 官能小説 http://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ロリータの殺意

INDEX|5ページ/160ページ|

次のページ前のページ
 

無害な彼



 彼は私を抱いたことがない。表面的にも、内面的にも。
 交際が始まったばかりのころは、「私のことを大事にしてくれている証拠だ」と思っていたけど、本当はそうじゃなかった。
「君に魅力がないということじゃないんだ」
 私の気持ちを受けて、彼は言った。
 ああ、その可能性もあったんだ。私は背筋が冷たくなった。自分に性的魅力がないのかもしれないだなんて、考えたこともなかった。彼が内気だから、抱くどころかキスもしないのだと思っていた。だけど本当は私が原因なのかもしれないのだ。
「泣かないでくれ。僕が実際にそう思っているわけじゃないんだ。君はまったく悪くない。君が出していたサインを、知らないふりしていた僕が悪いんだ」
 彼はティッシュで私の目元を優しく拭った。
 男女二人きりのベッド。だけど、どちらも服を着ている。私はこのベッドの上で脱いだことがなかった。「寝る」という言葉には色んな意味があるのに、私たちは一つの意味しか知らない。
「もうそろそろ君に話しておかないといけないのかもしれないね」
「どういうこと?」
 彼はつらそうな顔をする。
「僕が君の期待を裏切り続けている理由さ」
 彼はベッドの端に移動した。私は彼の背中を見つめた。
「僕は他人に触れることができないんだ」
「触れることができない……?」
「精神的なことじゃなく、本当に触ることができないんだ。手なんて、つなげるはずがない。今まで僕は君に指一本触れなかった。それは他人に触れることができない体質のせいだったんだ」
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ