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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

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愛の賛歌



「愛しているよ」
 彼氏が言った。
 彼女は応える。
「愛しているわ」
 男女関係になってからというもの、彼らはこのやりとりを毎日のようにしていた。だが、今日は少し違った。彼氏のほうが、ある「疑い」をベッドに持ち込んでいたからである。
 僕は彼女を愛していて、彼女も僕を愛してくれている。それは分かっている。でも、僕が彼女を愛する気持ちは大きすぎるのではないだろうか。彼女の愛では、僕の愛にはかなわないのではないだろうか。そういった疑いだった。
「ねえ、どうかしたの? 思いつめたような顔をしているわ」
 彼女は言った。
「何を考えているの?」
「どういうふうにして愛を伝えようかと考えていたんだよ」
「そんなこと、簡単よ。ただ『愛している』と言えばいいの」
「僕は君を愛している」
 そのとき彼女は、彼の様子がいつもと違うことにやっと気づいた。
 少ない言葉で気持ちを伝えることを「美」とする彼が、余分な言葉を足したのが気になった。
 いいえ、それでもかまわないの。
 彼女は全身に広がっていく幸福にすべてを委ねた。幸せは、肉体で感じるのがいい。幸せを脳で考えようとすることは、冷酷な論理のメスで切り刻むことと同じなのだ。
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ