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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

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偶像の時代



 今日も、東京の秋葉原で大規模なデモが発生中。
「横田(よこた)聖奈(せいな)ちゃんに、もっと仕事を与えろーッ! もっとテレビやラジオに出させろーッ!」
 デモをおこなっているのは、『聖なる会』という集団だった。秋葉原を中心に活動しており、構成員の凶暴さがたびたび取り沙汰されている。
 彼らが崇拝しているのは、横田聖奈という二十四歳のアイドルだった。芸能界にデビューしてから十年のキャリアがあるのだが、まだまだ仕事が少ない。小さな劇場で、歌って踊っている。
 アイドルの仕事だけでは食べていけないので、親からの仕送りに頼っている。これが俳優志望の青年ならともかく、彼女はアイドルだ。刻々と失われていく若さ、なかなか見えない先行きへの不安。それらがストレスとなって、ここのところは活動を休止している。それを見かねた熱狂的ファンの集団が、「彼女にもっと仕事をやれ」とテレビ局や出版社などに抗議デモをおこなっているのだ。
「やれやれ。またやっているのか」
 デモを遠目に見る青年がいた。苦笑いを浮かべる。
「そんなことをやっても、どうせ無駄だというのに。横田聖奈という子には悪いけど、あの程度の見た目じゃ芸能人としてやっていけないだろう。どうあがいたところで、彼女に未来はない。まだ若いうちに、別の職業についたほうが賢明だ」
 青年は独り言のつもりだったが、それを聞いていた見知らぬ中年男が話しかけてきた。
「ちょっと失礼。あなたは横田聖奈に批判的ですか?」
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ