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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

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口頭禁止用語



「お前みたいな女、●●ばいいんだよ」
 彼の言葉は、言語監察局の妨害信号によってかき消された。
「泣くんじゃねえよ。お前のそういうところが嫌いなんだよ」
「嫌いだなんて……。そんなこと言わないで」
「何度でも言ってやるよ。俺はお前が大嫌いだ」
 私は耐えきれなくなって叫び声を上げた。彼の言葉を、私自身が妨害してしまおうと思った。《死ね》や《殺す》や《馬鹿》は禁止されているのに、どうして《嫌い》は禁止されないのだろう。これほど人を傷つける言葉はないのに。
 壊れたように叫び続ける私を、彼は軽蔑の眼で見つめている。面倒くさそうに舌打ちをすると、彼は部屋から出ていった。
「もう嫌……。●●●しまいたい……」
 漏れ出た言葉は、妨害された。部屋には私以外誰もいないのに。言語監察局はどんな状況だろうと仕事を果たす。お風呂の中でつぶやいた一言が妨害されることもあるのだ。
 私はカーテンを開いた。まるで遊園地のアトラクションのような電波塔が、街のど真ん中にそびえ立っている。
 言いたい。ぶちまけてしまいたい。
 どうせ口に出す瞬間、妨害信号によってかき消されるのは分かっている。だけど人間は言葉を操る動物だ。言葉によって傷つけられた私を癒せるのは、やはり言葉しかない。
 私は胸にたまった思いを叫んだ。
「みんな、●●ばいいのよーーッ!!」
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ