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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

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芸術家



 二十二世紀にいたって、人間はついに芸術を生み出せなくなった。
「すばらしい作品は、背後にある。前方にあるのは、偉大なる作者によって生み出された作品の影なのだ」。そう言われる時代だった。
 リメイクや新訳、復刻版ばかりが発売され、「新作」と呼ばれるものはほとんどない。もし発売されたとしても、既存のものとの類似点ばかり取り上げられ、批判の的にされる。自分の作品だけは唯一無二だという自信を持った者たちは、オリジナル主義者たちによって徹底的につぶされた。
「何事にも限界がある。人間の芸術的想像力には、限界がおとずれてしまった。しかし、科学への探求心に限界はない。ならば、それを利用しない手はないだろう」
 そんなことを考えた科学者がいた。自らも絵を描いたり、楽器を演奏したりするほどに、芸術というものを愛する男である。
 独自の考えを持つ人間がいなくなったことが芸術の欠乏につながっているのではないか、とその科学者は考えていた。地球上のどこにいようと、通信によって意思疎通ができる時代だ。それはたしかに便利だが、人間を規格化させてしまった。みんな同じような考え方をするようになったのだ。今や、感情表現の方法も他と一緒でなければいけない風潮になってしまっている。
「科学が悪者なのではない。それを使いこなせない人間が悪いのだ。この私が、正しい科学によって新たな芸術を生み出してやる」
 そうして、科学者は計画を実行した。
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ