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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

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寝言



 結婚生活七年目。妻が寝言を言うようになった。
 最初のうちは気にしなかったけれど、それが原因で、僕はあまり寝られないようになってしまった。
「病院で診てもらったらどうだろう」
 ある日、僕は妻に提案した。しかし彼女は取り合わなかった。
「私は健康だし、病院へ行く必要なんてないわ。あなたは大げさよ」
 自然に治るかもしれないとわずかに期待したのだが、妻が寝言を言わない日はなかった。
 満足に眠れないことへのストレス。夫の身を案じようとしない妻への憤り。うっぷんがたまって、僕はよからぬことを企んだ。
 こんな迷信がある。
「寝言に返事をすると、寝言を言った人は二度と目覚めない」
 僕は妻の寝言に返事をしてやろうと思いついた。さっそくその日の夜から実行してみることにした。
「台所は主婦の城よ……」そんな妻の寝言に対し、僕はこう返事した。「じゃあ夫にとっての城はどこだろう?」
 すると、思いもよらぬ返事があった。「夫にとっての城なんてどこにも存在しないわよ……調子に乗らないで……」
 もうやめたほうがいい。ここで会話を止めないと、彼女はほんとうに二度と目を覚まさないかもしれないぞ。心の声が、僕に警告した。しかし僕は、興奮で我を失ってしまっていた。
「夫にも城をくれよ。たとえば書斎なんてどうだ?」と僕。
「じゃああなたの城は書斎ね……」と妻。
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ