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佐野みむろ
佐野みむろ
novelistID. 42051
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ロリータの殺意

INDEX|105ページ/160ページ|

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仲裁



 友人の家で将棋をしてきた帰り道。老人は、言い争っている若い男女を見かけた。痴話ゲンカというやつだろうか。
 男女はどちらもやかましかった。これではご近所に迷惑がかかるだろう。やれやれ仕方がない、仲裁でもしてやるか。老人は彼らに近づいていった。
「もしもし、そこのお二人さん」
 言い争いがぴたりと止まった。男のほうが、「なんだこのじじいは」と言う。陶器のようなつるつる頭をしており、人相が悪い。いかにも凶暴そうな風貌だが、老人は怖いとは感じなかった。
 女のほうは、いきなり見知らぬ人間から話しかけられたせいか、戸惑った顔をしている。黒い長髪の美人である。あまりお似合いとは言えない男女だな、と老人は思った。
「わたしはこのあたりに住んでいる者だ。君たちは何を言い争っているのかね?」
「そんなに俺たちの声がうるさいなら、場所を変えてやる。ほら、行くぞ」
 男が、女の腕を引いて去っていこうとする。
「ちょっと待ちなさい。たとえ場所を変えても、またさっきのようにケンカをするなら同じことだ。この際だから、ここで問題を解決してしまいなさい」
「じじいが口を出すんじゃねえ。これは俺たちの話だ」
 この礼儀知らずの若造にどう言ってやろうかと老人は思案した。そのとき、女と目が合った。理知的な目をしている。どうやら、女のほうには常識があるらしい。
作品名:ロリータの殺意 作家名:佐野みむろ