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For the future !

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二年目四月 似鳥と会う



「おひさしぶりです、凛先輩!」
「ああ」
夜、凛は似鳥と会っていた。
「おまえも東京の大学に進学したんだよな」
自分が親しくしていた者たちのほどんどが東京の大学に進学している。
「もも君もこっちの大学を希望してるみたいですよ」
「アイツもかよ……」
「もも君はスポーツ推薦狙ってるみたいですけどね」
似鳥はスポーツ推薦ではなく一般入試組だ。
水泳部の部長としてがんばってきたが、鮫柄学園は文武両道の偏差値高めな進学校であり、夏以降の猛勉強で志望校に合格してみせたらしい。
ちなみに、今の鮫柄学園水泳部の部長は百太郎だ。
「七瀬さんと同じ大学に行きたいみたいです」
「そうか」
百太郎の実力なら、遙の大学からもスカウトが来るかもしれない。
「……山崎先輩は医大に入り直したそうですね」
「ああ」
高校三年の夏には父親の仕事を手伝おうかと思っていると言っていた宗介は、翌年春には地元の大学に進学して水泳部に入った。
だが、結局、肩の故障がどうにもならないと判断して、水泳部を退部した。
それを聞いたとき、もどってくるのを待ってる、と言った自分を凛は責めた。
けれども、それを察したらしい宗介から、あのときおまえにああ言われて救われた気がした、と言われた。自分の実力を高く評価してくれる者がいてくれることが嬉しかった、と。
そして、肩の故障と向き合ううちに新しい夢を見つけたと宗介は言った。
それが、医者になる夢。
ただし、それは親に大きな負担をかける夢なので言うのは気がひけたが、親はむしろ喜んでくれたのだという。
宗介はこの春から医大生だ。もちろん猛勉強あってのことだろう。
新しい夢のしっぽをつかんだ状態だ。
「アイツが医者になったら、俺の身体、見てもらうことにするよ」
「僕もです。山崎先輩なら信頼できますから」
笑顔で話した。







作品名:For the future ! 作家名:hujio