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ヤマト航海日誌

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2016.1.31 外套、捕縛、そして法廷



まずはお詫びと訂正から。前回、『それ、違法です。』のCMの刑事役をおれはうっかり松重豊と思って書いたが間違いでした。すみませんね。でも正しいあの俳優の名前はなんていうんだろ。知らないので訂正するにも訂正しようがないと来たよ。困ったね。いちいち調べる気もしないし……ここはおれに名前を覚えさすこともできないあいつの方が悪いということにしよう。だからあのCMはどうせ効果がないと言うんだ。

そうじゃないっつーんだったら、あの役者に『これ、合憲です。』って巻物持たせて自衛隊基地の前に立たせりゃいいだろ。そういうCM作って流せばいいんだよ。役所の仕事に間違いないならそれでみんな納得して違憲運動なくなるんじゃねえの。

――と、こんな話でもう一月も終わりだけれど新年明けましておめでとう。これを読んでるあなたには今年も悪い年になるでしょう。何人いるのか知りませんが……。

ええと去年はホッポーリョードがどうとか書いたところで終わったんだっけ。ニュースを見ればネタに困ると出てくるのが北の四島。古舘伊知郎(合ってるよね)なんかが言うんだ。
「あの四島は古来からの日本の領土であるという確固とした証拠があるわけですよね。なのにどうしてロシアは認めないのでしょう」
「まったくです、わけがわかりません」
だとか、飽きもせず……確かに、よくわからんなあ。〈択捉〉と書いて〈エトロフ〉と読むって、これ本当に日本語か? スミノフというウォッカがあったな。カラフトは日本じゃないのになんで〈樺太〉と書くんだろう。鮭のタマゴをイクラというのはロシア語からの外来語で、ロシアじゃタマゴはみんなイクラというそうだけどほんとかな。だとか言ったら古舘は一体どうするのかな……。

おれみたいな人間はコワモテ刑事に「ちょっと署まで」としょっぴかれて、「あのさあ、キミのやってることは、国に対する裏切りだよね」と咎められる運命にある。いやいや、日本は好きですよ。辻政信が好きなんだから充分愛国的でしょうと応えてヤな顔される運命にある。

「国がほんとに正しいのなら『そこ、日本です。』って巻物持ってあんたが根室へ行きゃあいいだろ」、と言ったら、刑事はバンと机を叩いてカツ丼食わせてくれるのだろうか。まあ百杯はゴチになるぜと言わせてもらいますけれど、それよりあなたほんとになんて名前なの? おれ、マジに知らないんだけど……。

知ってりゃさすがに名を間違えはしなかっただろうしねえ。あんなCMまともになんかそもそも見たことなかったし。どうせみんなおれをバカだと思っていたろうけどさ――いやまったくほんとだね。生頼範義が死んだよね。おれはずっとあの画家の名を〈なまよりよりより〉と読んでいました。苗字はともかく、下の名前がどうして〈ヨリヨリ〉という読みになるのか自分でも謎です。追悼記事でこないだ初めて正しい読みを知りまして……ええと、知ったんだけど、なんだったっけ。もう忘れちゃった。あの画伯はおれには死ぬまで〈なまよりよりより〉になりそうです。

人はどうして自分に都合の悪いことを忘れてなかったことにできると思い込むくせに、他人の過去はほじくろうとするのでしょうか。やっぱり、おもしろいからでしょうか。ナマヨリ画伯といえばやっぱり『帝国の逆襲』。当時におれは反抗期の小学六年。ファルコンはとても速い〜、ポスターはとてもカッコいい〜。対して日本の〈二式〉というか〈四式〉というかあれはなんだい。変わり映えがしないうえに文字がなんだか、あれで〈トワ〉とか〈トウジョウ〉とか読めと言われても正気ですかという感じの。ただ新顔のおねえちゃん描いて出しときゃ客は寄ってくるだろうとわが皇軍が考え出したあれがやっぱり始まりだろうな。まったく、奇面組ときたら、おニャン子クラブの名前なんか自分が全部知ってるからって、みんながみんな覚えたがると考えるんじゃねえってえのよ。

『ヤマト2199』はオタクのダークサイドの皇帝・出渕裕がダースなんとかとか、ダースかんとかとか、じんとかまんとかれいとかいう黒くて変な気持ちの悪い者達を集めて作ったアニメであり、バンダイはそれを知ってて知らないフリをしているけれど、自分じゃ証拠を残していないつもりでいたりするのかな? ちょっと掘ったら黒いものが噴出して、
「本が〜出てきた〜本が〜ア出た〜。石原のシンタローな本が出た〜。ヨシズミ、これがお前の父だ」
「NOーっ!」
となるのが止められるとでも? シンタローのはゼロではなくて〈一式〉なんだそうですね。おれはまたまた見てないんだけど。

題名が『永遠の1』だったらどうなるんだろう。どうせ中身は同じなのに、どうしてあれは著作権の侵害とかいう話が出ないのでしょうか。やっぱり、つまらないからでしょうか。

人はどうせ罪を背負って生きるものだ。あなたが食べてる魚もミカンも、別にあなたに食われるために生を受けたわけではない。法律がそれを罪とはしないから罰せられないというだけだ。ダースベイダーが育ての親と友が暮らす星をドカンと吹き飛ばしてもなかったことにして忘れましょとレイア姫は言うけれど、冥王星を壊すのは決して許されないらしい。森雪を輪姦陵辱するマンガを描いてコミケで売るのが許されるのはヨーダが別にいいんだヨーダと言っているからであるらしい。人はビューティフル・ドリーマーだ。この世界は神に選ばれし者だけのためにあるものと考えて、自分はその選民のひとりであると無条件にみなす。だからオレのやることはすべて許されることだけど、でもあいつとかあいつとかは、オレと考えが違うから違う……。

おれがはたちのちょうど今くらいの時分に、下妻の街で中学時代の友達に出会うと、「成人式に来なかったな。なんでだ」と言われたっけな。そのたびに「おれが行くわけないだろう。なんでだ」と応えたが、おれが書いてるおれの古代がおれと違うのは、たぶんあいつは、ガミラスが来ず三浦半島に遊星が落ちねば、二十歳の成人の日に旧友と会って騒ぐために式に出席してると思う。だから決して完全なおれの分身というわけじゃない。

まあいいだろう、若いうちはセント・エルモス・ファイヤーでも。おれはここに出してるものの下書きをよく図書館で書いてるが、閲覧室でガキどもがペチャクチャしていやがると机をガンと蹴飛ばしてやる人間だから、どうせ立派な成人と言えるようなもんじゃないんだ。

世の中に大人と呼べる大人などひとりだっていやしねえよ。よく、裁判官なんかが公園で、幼女相手にコートの前を広げてみせて、コート・イン・ジ・アクトになって、コートに立たされたりしているが、果たして人に人を裁くことがそもそも許されるのでしょうかなんちゃって、君は決しておれみたいな人間の真似をしてはいけませんよ。いくら自分は立派なモノと変な自信があったとしても、世間が許してくれないことがありますよ。

と、いったところで投稿再開。今年は一から出直しである。実を言うと、零式よりもこっちの方がおれは好きなんだよね。昔、プラモで作ったときに、『これの方がカッコいい』と思っただけの理由だけどね。
作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之