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ヤマト航海日誌

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2019.1.14 大四畳半惑星人のビーメラ星に対する評価



『2199』第一話。古代守が「沖田さん、ぼくは逃げません。〈ゆきかぜ〉は戦線にとどまり、〈きりしま〉撤退を援護します」と言う場面。沖田はこれに応えて言う。


「古代、多くの犠牲を払ったが作戦は成功したのだ。ここは退くんだ」


って、おいおい、なんだって? 一体どういうこっちゃねんな。

前回に書いたように最近見直してみたらハッキリこう言っていやがんの。おれは2013年のテレビ地上波放映で一度見たっきり、そのときにも、『えっ、なんだそりゃ。どういうこと?』と思いはした記憶があるが何しろどうせ話が全部狂っているわけだから、いちいち気に留めてらんないよな。すっかり忘却の彼方でした。

でもあらためて見て思い出したのよ。『あっそうだ。ここでこのセリフはねえだろ。話がおかしいだろが』と。ただ昔に見たときは、〈メ号作戦は陽動〉なんて変な設定は知らなかったんだよな。だから余計に何がなんだかわからなかった。

『話がおかしい』と言うよりも、『意味が不明』という認識だったのだ、当時は。うん。しかし今あらためて、つくづく出渕のデタラメにあきれる……。

『2199』で古代守は、〈メ号作戦〉は陽動だと知らなかったはずである。〈敵の基地を叩く作戦〉と聞かされていて、そのつもりで臨んでいた。部下のセリフに「やつらの基地に一発蹴りを入れに行くとしますか」なんて言うのがあるのでもそれは明らかだ。

なのに突然、沖田から、「作戦は成功した。撤退だ」と聞かされる。『えっ、何それ。話が違う』と思わないのか。

沖田にそう言われたら、こう返さねば変だろう。


「は? 沖田さん、何を言うのです。これのどこが成功なんです」

「いや、すまん。お前らは、実は囮だったんだ。わしは基地を叩く気など、これっぱかりも持ってなかった」

「そんな。一体どうしてまた」

「〈サーシャの船〉は海王星軌道を越えてタッタ10分で火星に着いた。もんのすげー速さだな。光速の20倍くらいってことか。いやもちろんこれでオリジナル通りだから、陽動なんか必要あるわけないんだけど、わしはひとこと「ヨードー」と言ってみたかったんだよ。あんまり使わないだろ。「陽動」なんて、戦争映画ではよく聞くけれど普通は一生口にしない。でも、わしは、一度言ってみたかったんだ、「ヨードー」と。そのために〈きりしま〉と〈ゆきかぜ〉以外すべての船を沈める作戦を立てたわけだ。いい画だったろ、地球の船が為す術(すべ)もなく敵に殺られていく光景。これぞ『ヤマト』。これぞリメイクを超えたリメイク」

「そんな。たったそれだけのために……」

「いいんだよ。敵も味方も同胞を意味なく死なすのが西崎作の伝統だから、それを守ってこそのリメイク。〈ヤマト〉以外に地球を護る船など要らん。むしろあっては邪魔だ。余計だ。だからわしとお前以外は全員、死んでいいし死なねばならん存在なのだ。撤退しよう」


って、ねえ。こう返さなきゃ変じゃねえんじゃねえんですか。

〈メ号作戦は陽動だが、古代守はそれを知らされていなかった〉と言う設定と、沖田の「作戦は成功した」と言うセリフは矛盾する。ここで沖田がこう言うからには、古代守も艦隊の他の艦長も兵達も「これは陽動作戦だ」と知っていたとしていいし、ストーリーの展開上それで問題もないはずだ。沖田は古代進に対し、


「それは根も葉もない憶測だ。確かに彼らは囮だったが、君の兄も含めてみんな知った上で臨んでいた」


と応えていいことになる。でなければおかしい。

要するに出渕裕が辻褄など考えず、思いついた適当な言葉を適当に使って話をつないでいるわけなのだ。こんなことして古代が沖田に不信を感じるドラマをやるのかと言えばまるで逆で、「古代守は男だった。立派な男だった」とただひとこと言われただけで尊敬する話にしちまうんだから、一体何がやりたいのかすらわからない。



 同人レベル。



――と、前回ほんとうは、こんな話をマジメに書く気でいたのである。なのになぜかああなってしまったのである。おれは一体どこで間違えたのだろうか。

やはりおれの気質と言うか性格に問題があるのかもしれません。今回のこの更新以降にこの日誌を初めてお読みになる方は、おれが前回、『さてひと目でわかると思うが、今回は特別篇。』と書いてる理由がわからなかったでしょう。実はこれまでこの日誌の文章は、普通の紙の本と同じスタイル、つまり段落の頭を一字下げ、改行時に行間を取らない形で書いていたのです。

それを前回、初めてこのスタイルで書いたわけなのね。で、今回の更新にあたり、これまでの分を全部あらためたわけ。以前の形がどんなだったかは、今は非公開にしているおれの『敵中』をいずれまたお見せするのでそれで確かめてやってください。

実を言うとおれはこの日誌については書いて出したらそれっきりでろくに読み直してなかった。それをこのたび、手を入れついでに初めて読んだが、ずいぶんとひどいことを書いてきたねえ。全体に改行を施したのと、誤字脱字の訂正の他、〈てにをは〉や表記などだけちょっといじった。文章自体は一行たりとも書き加えたり削ったりしてないが、やれやれ、おれは実のところ、これ全部を削除したいよ。

最初のうちはつまらなくするのはわざとでもあったが、いま読み直すとおれが思っていた以上につまらんことを書いてるなあ。五、六回目辺りから徐々におもしろくしていったつもりでいたけど、全然そうなっていねえや。

しかしそれも当然だろう。おれが元々この日誌を始めたのは、おれの『敵中』を読んでるやつらにどうにも妙なものを感じて、それが何かを探るためでもあったのだから。2014から16年までの分には、『敵中』とこの日誌とが、どうしてほんの数十人からまるで狙撃銃に着けられたスコープのレンズを通してでも読まれるように読まれている感じがするのかわからぬことへのおれの苛立ちが表れている。

で、2017年。やっと全員がおれを盗む気でいると気づいてあきれ返るが、しかし回を重ねるごとにどんどんイライラを募らせてくのが窺える。って、何を自分で言っとるねんという感じだが、当時に自分で思っていたより強く行間に溢れてるのだからしょうがない。

一年前の年末年始くらいを読むととにかくひでえな。って言うか、読めないや。エルの命を獲ろうとする夜神月みたいなやつがPCのキーを叩いてるよな。やはりおれの気質と言うか性格に問題があるのかもしれませんが。

で、説得をあきらめて、〈ハーメルン〉で出し直すことにしたわけよ。大四畳半惑星の話を書いて、出したところでわかったからさ。

ああ、ここにいるやつらは〈大四畳半惑星人〉だと。〈999〉のパスを盗みはするけれど、列車に乗って外へ出て行く度胸はない。だが鉄郎に返しもせず、「オレのもんだ。オレのもんだ。これは元々オレのもんなんだからいつかいつか」とつぶやきながら一生を終える。

それが〈大四畳半惑星人〉だ。美人の帰宅の後をつけ、「この距離を保っていれば大丈夫。いつかあの彼女の方から、『わたしをあなたのものにして』と言ってくれる日が来るんだ。その時までただ後をつけるんだ」とつぶやきながら一生を終える。
作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之