小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

アナザーワールドへようこそっ!  第二章  【045】

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 



  【045】



 シーナは、隼人と別れた後、すぐに寮には戻らず、寮から少し離れた場所で『神との直接交信(リアル・コンタクト)』を図っていた。


「神様っ! 神様っ!………………ダメだ……やはり、つながらない」

 シーナは、メモ帳に向かって何度も『呼び出し』をしていたが、応答はなかった。

「本当に、一体、何が起こってるんだ…………」

 シーナは考えていた…………『神様』と『つながらない』なんてことは、本来、はありえない。『神様』は『時間』という『枠』も超越している存在だから、そこにいないということはないはずなのだ。なのに、こうやって連絡が取れない…………というより、向こうからの返事がない。そうなると、考えられるのは、『神様』がいる『あの世とこの世の狭間の世界』で何かあったということとなる。でも……一体、何が…………?

 すると、シーナのメモ帳が震えた。どうやらバイブ機能があるらしい。

「か、神様ですか?! やっとつながりましたっ! どうしたんですか? まったく連絡がつかなかったのですが…………」
「すまない…………少し、『アナザーワールドの調整』に手間取っていてな」
「えっ?『アナザーワールドの調整』に手間取っていた? やっぱり…………このアナザーワールドをいじったのですか?」
「ああ……」
「だ、だから、『媒介役(メディエーター)』がわたしたち以外にこの世界に…………。でも、そんなことして、ここ(アナザーワールド)は絶えられるんですか?」
「心配いらぬ。ちゃんと世界は機能する……」
「か、神様がそう仰るなら…………で、では、わたしは、このあとも『予定調和(シナリオ)』どおりに、『隼人の魂の目的を果たすサポート』を続ければいいのですね?」
「そうだ……」
「わ、わかりました。では、そのまま続けていきます。では、失礼します」

 そう言うと、シーナは『直接交信(リアル・コンタクト)』を済ませた。

「ふう……と、とりあえず連絡はつながったか。それにしても…………」

 どうして『神様』は『アナザーワールドの調整』などしたのだろう。

 別に、そんなことしなくても、神様が託された『予定調和(シナリオ)』どおりであれば、特に問題はなかったはず…………なのに。


 シーナは、悶々としていた。

 それも、そのはず…………さきほどの『神様』は、すでに『別の神様』に置き換わっていたのだから。

 しかし、そんなことはシーナは知る由も…………無い。



------------------------------------------------------------


「フフフ…………シーナ。シーナ、か……なつかしいな」


 その『神になった男』は、シーナとの『直接交信(リアル・コンタクト)』を終え、シーナとの会話の余韻に浸っていた。

「さて、シーナ、隼人。君たちのこれからのすべては私が握っている。悪いが、『以前の神』の『予定調和(シナリオ)』は破棄させてもらった。これからは、少し…………楽しませてもらうとするよ。なあに…………時間はいくらでもあるし、それすらも調整できるのだから、な…………フフフ」

------------------------------------------------------------



 隼人は、シーナと別れ、寮に戻ろうとしていた。その時、

「あ、ハヤト様~っ!」

 俺のことを『ハヤト様』と呼ぶ奴と言えば…………マルコ・デルフォード。

「おお、マルコ…………何? 今、戻ってきたの?」
「は、はい。少し、時間が遅くなってしまいまして…………何とか、夕食時には間に合いました」
「そうか……入学式早々、お前も何だか忙しそうだな?」
「はは…………まったくです」

 そう言うマルコは、急いで帰ってきたようで、汗だくの状態だった。おかげでチャームポイントの『グルグルめがね』もほんのり曇っていた。

「さて……と、じゃあ、俺も夕食はまだだから、一緒に食堂行こうか?」
「はい。行きましょうっ!」

 俺とマルコは二人で寮の一階にある食堂へと足を運んだ。

 食堂は、人でいっぱいだった。一応、ここの食堂は二十四時間つねに稼動しているようなので、何時に食べても問題ないのだが、やはり、皆、考えることは一緒で、『夕食時間にちゃんと食事を済ませたい派』が多数いた。まあ、腹の虫は異世界の人も皆、同じリズムのようである。

 食堂は、基本『ビッフェスタイル』となっているので、皆、思い思いの席について、キッチンの手前に置かれたいくつもの大皿から好きな食べ物を取っていた。それにしても、その用意されている食べ物の種類の多さに俺は驚いた。『肉・魚・野菜・パン・ご飯・サラダ・スープ・ケーキ』…………まるで、地球の食事そのままだった。こういうのを見ると、本当に、ここは『異世界(アナザーワールド)』なのかと疑ってしまう。

「どうしました? ハヤト様? 何か気になることでも?」

 マルコは、俺が料理の前で立ち止まって考え込んでいるのを見て声をかけてきた。

「あ、いや…………何でもないよ。食事が種類も豊富で豪華だな、て感心してたのさ」
「……そうですね、本当に…………豪華ですね。この中央区(セントラル・エリア)……特に、『王立中央魔法アカデミー(セントラル)』だけは」

 そう言うマルコの顔は、『グルグルめがね』越しではあるが、何だか、少し、怒っているように感じた…………気のせいか?

 すると、マルコは俺の視線を察したのか、ハッとして、

「ま、まあ…………この学校(アカデミー)にいる間は、贅沢三昧し尽くしたいですね……ハハ」
「?…………そ、そうだな」
「ささ……ハヤト様、何が良いですか? わたしが取り分けますから」
「い、いいよ、いいよ、マルコ、そこまでしなくても…………て言うかさ、こういうのは…………自分で取るのが楽しいんだよっ!」
「!?…………な、なるほど」

 そう言うと、マルコは少しクスッと笑った。

「?……な、なんでそこで笑ったんだ?」
「あ、いや…………『特別招待生』の方ですから、もっと『貴族的』というか、『贅沢』というか、そんな感じだと思っていたのですが、全然違うな~と思いまして」
「えっ?……あ、いや……そ、そう?」

 あっ……俺、何か、態度が変だったのかな?

「はい。『特別招待生』であればもっと威張っても良いですし、実際、その『力』があるのが『特別招待生』なのですから、そういう振舞いが普通なのですが、でも、ハヤト様は、とても『庶民的』というか…………でも、そんなハヤト様は素晴らしいと思います。改めて…………惚れ直しましたっ!」
「ファッ……?!」
「今夜は…………親睦を深めましょう」

 マルコは、頬を染めながら、そう言って俺に近づいてきた。

「お、おいっ! やめろ、マルコッ! お、俺にはそんな性癖はない…………っ?!」

 すると、マルコはまたクスッと笑い、

「冗談ですよ。大丈夫です……僕も『そっち系』ではないですから。ちゃんと『女性』が好きな普通の『男の子』です」
「や、やめろよ……お前」