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出版社に勤務する緑川巧人は、仏教への真面目な信仰心を持つ30代の男だったが、少女を偏愛するペドフィリアであった。酒に酔った緑川は帰りの通勤電車で会った高熱の少女を自宅に連れて帰り、無意識のうちに凌辱する。それから緑川の、罪におののく日々が始まるが、その後もたびたび会う少女からは、緑川への信頼しか感じられない。緑川はやめられない罪を繰り返し、心を病んでいく。緑川の隣には、カトリック信者の家族がいて、その娘も信仰厚い中学生だった。高潔なその娘は、緑川にとって犯すべからざる心の支えであった。しかし、少女との自分の痴態を緑川はやがて娘に見られてしまう。緑川は自分に絶望し、心をますます病んでいくが、少女たちにとって重要だったのは緑川との個的な関係そのものだった。