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秋月かのん
秋月かのん
novelistID. 50298
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第1章  2話  『壊レユク現実』

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「ふぁぁぁ…。眠い…」

時刻は夜の7時を回ったトコだ。そろそろ晩飯の時間だな。
ベッドの上で寝転びながら大きく伸びをした。

「しかし、今日はまた一段と疲れたぜ」
朝は、ミナと明日香のダブル襲撃のおかげで冬姫にデスビンタのスペシャル。
…あれはマジで効いた。

学園に着いたら着いたで、かえでのビッグバンデストロイはくらうしな。
ってあれは俺のせいなのか?
それに今思い出したが、茜にもやられたよな。
…はぁ、俺って一体。…まぁ悪いことだけじゃなかったけどな。

どういうわけか俺たち5人組は、みんな揃って同じクラスときた。
これって本当に偶然なのか?俺にはどうも腑に落ちない。
まぁ本当にただの偶然かもしれないがな。

そういえば、話の成り行きとはいえ生徒会に入ることになったんだっけ。
まぁ、自由に参加すればいいって言ってたし、姉さんもいるから大丈夫か。
それに、ミナも明日から俺たちと同じ学園に通うって言ってたし、楽しみだ。
これで、ミナも同じクラスになれば、みんなで楽しく過ごせるのにな。
まぁ、そんなに都合よくはならないだろうけどな。

「う~ん。でもまぁ、何にせよこれからの一年また楽しくなりそうだ」

-ガチャ

「ねぇねぇ~、お兄ちゃんお兄ちゃん~♪」

「うわぁっ!?」

俺が感傷に浸っていると、突然、明日香が勢いよく俺の部屋に入ってくる。

「どしたの?お兄ちゃん、変な声出して?」

「どうしたじゃないッ!部屋に入るときはノックをせいッ!ノックを」

「え~いいじゃん♪ボクとお兄ちゃんの仲じゃない??」

明日香は猫のように構って欲しいがためにじゃれるように俺に抱きついてくる。

「そうだなぁ、俺と明日香はこういう仲だもんなぁ」

そんな明日香を俺は恋人に抱擁するが如くやさしく抱きしめる。

「お……お兄ちゃん?」

「明日香……」

さらに強く明日香を抱きしめる。

「おりゃあッ!!くらえッ!!今必殺のクロスファイアッ!!」

そこから俺は、得意の間接技を繰り出した。

「いだだだだだっ!痛いよ…お兄ちゃん…ギ…ギブ!」

ワナにかかったカモのように明日香はバタバタと暴れる。

「あっははは、引っかかったなぁ。朝のおかえしだよ」

そして、ほらよっと明日香を解放してやる。

「うぅぅ~!ひどいよぉ~お兄ちゃん」

「あはは。明日香、さっきのお前マジ面白い顔だったぞ」

「もう~お兄ちゃんのばかぁ!」

「あはは、悪かったよ」

「でも…ボクはちょっと嬉しかったよ」

そう言って、明日香はぽっと頬を紅潮させ、上目遣いではにかんでみせた。

「え?なぜに?」

ま…まさか!明日香にMの趣味が…ッ!?
…ってそんなわけないよな。

「だってぇ~お兄ちゃんが明日香を抱きしめてくれたから♪えへへ」

明日香は、頬を真っ赤に染めて、キュンキュンと胸をときめかせるが如く照れた表情にハニカミながら俺を見つめる。

「そうかそうか。そんなに気に入ったか~この関節技」

「えぇぇッ??」

明日香はガクガクブルブルと震えだし、見る見るうちに顔がさっと青ざめていく。

「では、もう一度…」

「やぁだぁやぁだぁ~もうグリグリのギュウギュウはーっ!!」

明日香は半べそをかきながら、バタバタと部屋中逃げ回る。

「冗談だよ。明日香が変なこと言うから、ちょっとからかっただけだ」

「お兄ちゃん!!」

「悪かったって。だから機嫌直せよ…な?」

俺は、明日香の頭を撫でてやる。

「えへへ♪も…もう、しょうがないな~もう~♪お兄ちゃん…えへへ♪」

どうやら機嫌を直してくれたらしい。
…ふぅ、よかった。

「んで、話を戻すが明日香は何しに来たんだ?まさか、ただじゃれるためだけに来たって言うんじゃないだろうな」

明日香なら十分にありえることだからな。

「えへへ♪……え?あ、ううん、違うよ。ちょっとお願いがあって来たんだよ」

「何だ、そんなことか。で、何だよ、そのお願いってのは?俺が出来る範囲にしてくれよ」

「それは大丈夫だよ~お兄ちゃんなら楽勝だよ♪」

ホントかよ…。

「もうすぐね晩御飯ができるの。それで、今日のメニューの中にコロッケがあるんだけど…えーと、ソースがねーきれちゃったんだよ~。だから、買ってきて欲しいんだよ」

「う…そうきたか。しかし、あそこのコンビニまで遠いんだよな~。それに体ダルくてかったりぃし」

「ダメ~?お兄ちゃんお願い♪買ってきてくれたら明日香のコロッケ1つあげるから~ねぇ?」

明日香は、子犬のように俺を潤んだ瞳で見上げていた。
うッ…。こ…この目はッ!!…ううッ、この目は反則だッ!

でも、ここで明日香を甘やかしてはためにならない。
…こいつの兄貴としてッ!!そんな俺の心情を読み取ったのか、

「ダメなの…?」

しゅんと悲しそうな顔でうつむいてしまう。
…ったく、しょうがねぇな。

「いいよ、買ってきてやるよ」

と言った途端、

「わーい♪ありがとう♪さすがお兄ちゃんだね♪じゃ、約束のボクのコロッケ1つお兄ちゃんにあげるからね♪」

今にも飛び跳ねてしまいそなくらい…って飛び跳ねてるし。明日香は喜んでいた。
やっぱ、明日香にゃかなわないな。…ホント俺も明日香には甘いよな。
でも、明日香のこんな顔を見てると何だか見ているこっちまで嬉しくなっちまうぜ。

「別にいいって。それは、明日香が食べろよ。でないと大きくなれないぞ~。成長期なんだからしっかりと食べないといかんぞ」

「お兄ちゃん…一言余計だよ~。もう~またボクを子供扱いして~!それがなかったら格好いいのに」

「へいへい。どうせ俺は格好よくないですよ。そんじゃ、ちょっと行ってくるぜ」

「うん。気をつけてね~お兄ちゃん♪」

「おう~」

俺は、ダルい身体を引きずりながらもコンビニへと向かったのだった。





「ふわぁ…。うにゅ…うぅ…眠い」

さっきから数えて何回欠伸したかわからないくらいだ。

「今日はさすがにいろいろあって疲れました」

やっぱり学園でのことが一番大変でしたね。
あんなにたくさんの人に囲まれるとは思いませんでした。学校って怖いです。
まぁ、みんなには悪気はなかったと思いますけど…。
…でも、私にはまだ知らない人と、というか人と接するのは慣れません。
こういうの早く直して慣れていかないといけないのに、直そうとわかっていても中々出来ないものだ。

…っと、こんなこと言っている時点でダメですね。
なんとかしないと…。

「やっぱり、このままじゃいけないよね」

学園に通う以上、この人見知りするトコは直すべきだ。
でも、どうやって…。

本来は私一人で解決すべきなんだろうが、それはとっくに実行したが、効果は見られなかった。何も変わらない。いや、違うな。あの時は余計ひどくなってしまったんだった。だから、私は……。

「…やめよう。あの時のことを考えるのは…」

これじゃいつもと同じ…また繰り返すだけだ。

「そうだ!ヒナちゃんに相談してみよう」

ヒナちゃんならきっと相談にのってくれるだろう。
昔から私が困っている時には、よく助けてくれたし、相談も聞いてくれた。