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秋月かのん
秋月かのん
novelistID. 50298
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Wish プロローグ5

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<1章=プロローグ>


ピピピピピッ!!!!


う……う…うぅ…ん……。
何だよ……人がせっかく気持ちよく寝てるっていうのに……。
それでも、鳴り続ける目覚まし時計。

まるで俺が起きるまで鳴り続けろっていう魔法がかかっているかのように。
そうか…そうなんだな…これは俺への挑戦なんだな。

わかった…その挑戦…受けてたってやる。
生憎、俺は、動けないお前の息の根を止めるだけだから俺の勝利は確実なワケだ。

「はっはっは。形勢逆転だな~大人しくしやがれ~」

あれ?時計がない…。おかしいな…確か…ここに。
俺は、目覚まし時計を止めようと手で探り当てようとする……が…。

むにっ

「ん?何だ…この柔らかい感触は?」

ようやく何か見つけたのだが、時計にしては何やら柔らかいものがあった。

むにっ

「あぁ…うぅ…んぅぅ」

さらに、その隣から艶かしい声までも聞こえてくる……。

「もしや……」

俺は、恐る恐る振り返り、そして目をあける。

「すぅ……すぅ」

すると、そこには、気持ちよさそうに眠っているミナの姿があった。
…ってなぜに!?

「お…おい、ミナ、何で俺のベッドで寝てるんだよ!」

「う…うぅん?あ…あれ…ヒナちゃん…?おはよう…ございます…すぅ」

ミナは、寝ぼけながらも律儀に挨拶をする。
寝顔も可愛いな……。……じゃなくてだな。

「ミナー!朝だー起きろー!というか起きてくれー!でないといろんな意味で俺が誤解される!」

っていうか、その前にさっき寝ぼけていたとはいえ、ミ…ミナの柔らかい部分を…。
うわぁぁッなんてことをッ!!ミナすまんッ!!
別にやましい気持ちでとかじゃないんだッ!!!

これは何というか…そう不可抗力なんだ。
だから俺の意志でも何でもないんだ。
俺は心の中でいろんな思いが錯綜する中でもミナに謝罪する。

…マジすまんッ!!

でも、あれは事故だよな。
俺には防ぎようもなかった。意識も朦朧だった。
だから忘れよう。今この瞬間にッ!!

俺はそう決意すると、俺の脳内コンピューターにファイルの削除を要請する。
よし、取り敢えずこれでよし。もう考えるなッ!!

俺は気を取り直してミナを再び起こしにかかる。

「ミナ~頼む~。おーきーてーくーれぇー!!」

俺は体全体をフル稼働させ、ミナの体をガクガクとシェイクさせる。
すると、

「うぅ…ん。はい…」

俺の呼びかけにようやく答えてくれたようで、ミナはゆっくりと起き上がった。

「おはよう、ミナ」

「おはようございます~ふぁぁぁ…ヒナちゃん。今日もいい天気ですね~」

「そうだな~…って、そんな場合じゃない。ミナ、とりあえず、こっちで話そうか。そこじゃ、言い訳が効かない」

「?そうなんですか…わかりました。ふぁぁぁぁ~」

俺はそこにあった座布団を拾い、ミナをその座布団の上に座らせる。

「んで、どうして俺の部屋で、俺のベッドで寝ていたのかな?ミナ」

「え?ヒナちゃんが昨日泊まっていけって言ったんですよ~お忘れですか?」

「いいや、忘れてないぞ。そうじゃなくて、何で俺のベッドで一緒に寝てたんだ?」

「え?だって、昔は、よくヒナちゃんの家に泊まりに来た時は、いつもこうして一緒に寝てたじゃないですか?だから、こうして一緒に…」

た…確かに昔は、一緒に寝てたが、それは子供の時の話だ。
今、こうすると何かと問題があるんだけどな…。

「もしかして…いや…でしたか?」

「別にいやっていうわけじゃなくてだな。もう子供じゃないんだし…」

「別にいいじゃないですか~私とヒナちゃんの仲なんですし」

「でもな、そうするといろいろと問題が…」

「あぅ…やっぱり…いやだったんですか…」

ミナは、目をうるうるさせ、上目遣いで俺を見つめてくる。
うぅ…その目は反則だ…。

「あぁ、もう!わかった。じゃ、たまにだったらよし!!これでいいか?」

「はい☆」

ミナは、にぱぁと微笑んだ。いい笑顔だ。

「んじゃ、着替えて朝飯にしようぜ。俺、腹減ったし」

「そうですね。それじゃ急ぎましょう。……うんしょっと」

そう言うとミナは着ているパジャマに手をかけ、脱ぎだそうとしていた。
…ってちょっと待たんかい!!

「って!なぜにここで脱ぐ?いくらなんでもこれはやばいって」

「そうですか?あ…もしかしてヒナちゃん恥ずかしいんですか?顔も真っ赤ですし」

いやいや、そうじゃなくてだな。
……って、もしかしてワザとやってんのか。

「ハルちゃん~朝だよ~起きてぇ~。学校に遅刻しちゃうよ~!!」

「………」

「え…?…あれ?」

運悪く冬姫が来てしまった…。
あぁ、何でこんなタイミングで来るかな…冬姫。
っていうか、今日に限ってドアノックしなかっただろ。

「では、下で着替えてきますね。では、ヒナちゃん、また後で」

ミナはにこーっと微笑んで、そのまま俺の部屋から出て行った。
って、せめて状況説明してから出て行ってくれてもいいだろッ!?

「ハ…ハルちゃん?」

「ま…まぁ待て冬姫。まず落ち着いて、俺の話を聞いてくれ」

「いいよ~。でも、それは後にしてくれるかな~」

ヤヴァイ…冬姫の奴、目がマジに怒ってやがる。
その笑顔が余計に怖いデス…。
その凄まじい迫力の余りに、1歩、また1歩と後ろへ後ずさる。

そして、ベッドまで追い詰められた時だった。

「ふぁ~っ!どうしたの~お兄ちゃん?」

俺のベッドからむくっと起き上がる明日香。
って、お前もいたのかよ!?

…………はッ!!!!

「うぅぅぅぅぅぅぅぅ~!!」

冬姫の顔が真っ赤になり頭のてっぺんからやかんのように湯気を出していた。

「ま…待て!だからまず、俺の話を……」

「ハ…ハルちゃんの…ハルちゃんの…えっち~っ!不潔~っ!ば~か~!」

「ぎやああああぁぁあああぁぁッ!!」

こうして、何年ぶりかに再会を果たした俺とミナ。
この再会により俺の今までの生活が何だか変わる予感…。
そう、そんな感じを感じさせるのだった。

だが、この再会が後に、俺の運命を大きく変えることになろうとは…。
そして、それはこの時から少しずつ動き出していたことを俺はまだ知らなかったのだ。


次回へ続く<次回より本編 第1章>
作品名:Wish プロローグ5 作家名:秋月かのん