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『幻のひと』


遥かとおく
海原を見つめて

砂浜に指でなぞった貴方の名前
波が刹那に消すというのに

幻の面影…
ただそれだけなのに

白い光で愛をくれた
貴方のやさしさを
私は追いかけている

消しても消えない記憶に
さよならができるなら

とこしえの愛が
つなげるだろうに

薄れ逝く蜃気楼
帰り来る貴方を

幻でも忘れはしない