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銀魂 −アインクラッド篇−

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・・・

ソードアート・オンラインで起こっている事態について、キリトは極力簡潔に話した。
2年前、このゲームが始まった時、軽い気持ちで遊んでいたのだがキリトはゲームをやめられないことに気付く。
その時、様々なプレイヤーがこのゲームを作った芽場晶彦という人物に閉じ込められてしまい、このゲームを終了するには100層にいるボスを倒すまでやめることができないというまさにデス・ゲームとなってしまった。それだけではない。もし、ゲーム内で死んでしまうと現実にある己の肉体に影響が及び、脳死状態になってしまうというのだ。
最初は1万いたプレイヤーもたった2年で6000人まで減っているということ。
確かにこの世界はあくまでゲームだ。
だが、それは己の命をかけたゲームでもあるということだ。

銀時がキリトから話を聞き終えると、耳の穴を小指でかっぽじり、気だるそうな表情のままソファから立った。

「悪ぃ、ちょっとそこらへん散歩してくるわ」
「え、ギンさん?」
「安心しろ、すぐ帰ってくる。わりぃなキリト。嫌な想い出引っ張り出してくれてよぉ」

そのまま銀時は何も言わずエギルの店を出て、夕日が照らされる路地裏をトボトボと歩き始める。
目に映るのは他のプレイヤー達。アスナのような女性のプレイヤーは珍しいのかどこもかしこもモンハンG級装備をしたようなむさい男達ばかり。

正直、今でもこの目に映るのがゲームの世界だとは考えられない。
皆、普通に生活し、それが当たり前かのように生きている。

銀時は空を見上げる。
オレンジ色の空だ。
雲一つ見当たらない。

とても、人が作り上げた空だという実感が得られない。




「不思議なもんだよなぁ。ついにお天とさんも人の手で作れる時代になっちまったんだなぁ。銀さんアナログだから着いてけねぇや」




銀時の脳裏に蘇るのはあのかぶき町の空。
かぶき町・・・普段から汚い笑い声が響いたあの街。
あんな街でも、いつでも空は美しかった。
侍が胸を張って歩いた道も、あの空も、今では人の手によって作り出すことが可能となってしまったのだ。



「時代は変わるもんだな」



気がつけば、キリトに連れられて最初に辿り着いた転移門の前までたどり着いていた。
流石に夕刻となると昼には溢れていた人ごみは無く、ちらほらと転移するプレイヤーのみだった。
こんなゲームの世界でも時間は流れるものなのだと改めて実感した。

「・・・悪ぃ。新八、神楽。当分銀さん帰れねぇみたいだわ。やっぱ大長編じゃねぇか。どっかに副題あるんじゃねぇの?」


独り言のようにポツリとそんな言葉をつぶやいた。
その時---

「だから、このゲームはドラ○もんとは全然関係ないって言っているだろ?ギンさん」
「っ!」

突如、後ろから聞こえてくる声。
思わず後ろを振り向くと、そこには夕日をバックに二人の少年と少女が立っていた。


「ましてや私達は使い切りのピッポやフー子みたいなゲストキャラクターじゃなくてちゃんとしたプレイヤーなんだからね?ギンさん」




「キリト…アスナ…!」


「俺達は、必ずこのゲームをクリアしてみせる。何があろうとも、絶対。元の日常を取り戻してみせる」
「そのために私たちは戦うの。もう一度、本物の空を見るために、ね」



銀時には子供である二人の身体がとても大きく目に映った。
するとどうだろうか、二人の姿がかつての仲間のようにも見えた。


そう、この世界に飛ばされる直前までそばにいた、新八---神楽---。


「キリトとアスナ。この二人だったら---」


仕方ねぇ。
元の世界に戻るためにはこのゲームをクリアしなくちゃねんねぇ。
二人には悪ぃが当分は『銀魂』の万事屋銀ちゃんは休業だ。

新八と神楽はいねぇがよ。
この世界でも、万事屋銀ちゃん。初めてみるとすっか。


「ったく、ガキの分際で逞しいこと言いやがって」
「あ、ギンさん今ちょっと笑ったろ」
「黙ってろ、この全身中二病」
「な、だ!だからこの格好にはちゃんと理由があってだな!?」
「ふふっ!ね?ギンさん絶対キリトくんの格好おっかしいよね!?恥ずかしいよね!?」
「アスナまで何言ってるんだ!!?あの時はしょうがなかっただろ!!」
「おいおいあの時ってどの時よ。ギンさん記憶喪失だから忘れちまったわぁ。アスナ、ギンさんにもわかるように一から話してくれよ」
「あんたも記憶喪失を良いことになに便乗してるんだよ!!」
「あ〜だめだめキリト。語尾にちゃんと『ォォォォ!!』ってつけないと。そんなツッコミじゃいつまでもボケに飲み込まれちまうぞ?」
「なんだよ『ォォォォ!!』って!意味わかんないよ!!」
「そういやアスナ。お前ぇ料理スキルとかいうの持ってるか?丁度キリトがS級とかいう食材を持っていてだな…」
「聞いて驚きなさいギンさん!ついこの前コンプリートしたっ・・・て、キリトくん!?S級食材持ってるってほんと!!?」
「いやちゃんと質問に答えろよ!というか勝手に話進めんじゃねぇよ!!」

「「あ、語尾に『ォォォ』ってつけてない」」
「お、お前達・・・い、いい…いい加減にしろォォォォォォ!!!!!」




夕日に染まるアルゲード。
転移門の前で2人の子供が1人の大人に寄り添い街並みの中へと歩いて行く。

その姿はかつて、とある世界にある大江戸のかぶき町のあの3人組の姿にとてもそっくりだった---。


・・・To Be Continued