G Generation Guardian
五話・「魅せつけろ!!漢の魂!!!」
様々な世界がせめぎ合い、極めて微妙なバランスを保ち、存在するGENERATION WORLD。人々は始めこそ各所で混乱が絶えなかったものの、連邦政府が樹立し、政経が整備されるとともに人々は落ち着きを取り戻していった。
今回の物語の地となるのは地球の極東に位置する島国、日本。
C.E.世界や西暦世界の日本が中心となって構成されており、経済特区 東京を中心として経済的に平穏な国であるとされている。戦争の匂いが漂う中でもそれを感じさせぬ空気がこの国には流れていた。何時も通りの時間が流れるこの国は「平和ボケ」しているのか、それとも経済大国としての余裕の表れなのであろうか。
近畿地方に位置する古都、京都に或る寺院に二人の若者がいた。男と女、歳は20代前半と言ったところか。座禅を組み、瞳を閉じ、精神の統一を図っている。寺院が山中にある事もあり、彼等のいる空間は全くの静寂に包まれていた。
しかしながら、男の表情は決して良い物とは言えなかった。何かに思い悩んでいる、振り払えない雑念がある為なのか。
「一度この辺で休憩にしましょうか。」
彼の様子を見かねた住職が座禅の中断を奨めた。携えた盆の上には茶と菓子が載せられていた。
「いや、しかし…。」
「苦を耐え忍ぶ修行もございますが、今あなたが求めているものはそうではない様にお見受け致します。」
男は彼の申し出を断ろうとするも、住職は更に優しく、それでいて鋭い言葉を添える。
「折角住職さんがお菓子まで用意して下さっているのだから、頂きましょう。人の厚意を無駄にしてはいけないわ。」
彼の横にいた女も住職に合わせて説得する。
「…分かった。頂くよ。」
二人の言葉に押され、渋々そう返すと男は座禅を解き、姿勢を楽にした。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん