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漢字一文字の旅  第三巻

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一の六  【葉】



【葉】、草冠の下の部は木に新しい三本の枝が伸びてる形であり、草冠で木の葉となったとか。

そんな【葉】、秋となると赤や黄に色づく。まことに美しい。
その「秋の夕暮れ」を下の句にした有名な三句・三夕(さんせき)がある。

寂しさは その色としも なかりけり 槙(まき)立つ山の 秋の夕暮れ (寂蓮法師)
心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ (西行法師)
見渡せば 花も紅葉も なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ (藤原定家)

それにしても、いずれももの哀しい。
さてさて、こんな秋は遠慮して、「天高く馬肥ゆる秋」を兼ねて、紅葉狩りにでも出掛けたい。
早速、どこへ? となるが、日本人が訪ねたことがある紅葉名所は、嵐山、日光、箱根、香嵐渓、京都東山、十和田湖の順だとか。

えっえー、香嵐渓と十和田湖はまだ行けてない。
おいおい焦らすなよと言いたいが、日本に居座る秋雨前線が去ってしまえば──

秋の夕日に照る山もみじ
濃いも薄いも数ある中に
松をいろどる楓(かえで)や蔦(つた)は
山のふもとの裾模樣(すそもよう)

さあ、出掛けてみよう、まずは近場の紅葉狩りに。