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漢字一文字の旅  第三巻

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一の三  【非】



【非】、左右に歯が並んだすき櫛の形だとか。
うん、確かにこれはわかり易い。
そして昔、この櫛を非余(ひよ)といった。

それがなぜ「あらず」の否定の意味になったのだろうか?
一説によれば、【非】は左右互いに背を向けいるから。そこから「そむく」→「あらず」に。

そんな【非】、非常識、非公開、非常勤などいろいろな熟語を作る。
そして最近よく使われる四字熟語が「是々非々」(ぜぜひひ)。
正しいこと(是)は正しい、正しくないこと(非)は正しくないと認める意味だ。
しかし、正しいとしていることが最初から間違っていたら、これは……えらいこっちゃ。
「是非非是」という反対バージョンの四字熟語があっても良さそう、と老婆心ながら思ってしまう。

そして【非】、他の漢字と組み合わされて「罪」、「悲」、「扉」などと多くある。
さてさてここで、魚に非ずの「鯡」って、何?

そう二つに身を裂いて食べる「二身」 →→ ニシンなのだ。
で、なぜニシンは魚に非ず?
アイヌの人たちはニシンを米だと言い伝え、また米の獲れない貧しい江戸時代の松前藩、年貢はニシンだったそうな。
だから、ニシンは魚に非ずであり、「鯡」の漢字になったとか。

とにかく【非】という漢字、他の字と組み合わさって歴史をも背負ってきたことになる。