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いつか、きっと

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おまけ1



七瀬家の居間に、遙、凛、真琴、渚、怜がいた。
「それで、結婚式に向けて順調に進んでるの?」
昔と変わらない明るい表情で渚が聞いた。
凛が答える。
「いや、結構大変だ。いろんなことしなきゃならねぇし、いろんなこと決めなくちゃならねぇからな」
「ふーん、そうなんだ」
渚は眼を遙に向けた。
「ねえ、ハルちゃん、式でなに着るか決めた? 白無垢? それともやっぱりウエディングドレス?」
「和装がいい」
あっさりと遙は言った。いつもの無表情である。
その婚約者の顔を凛はじっと見る。
結婚式に花嫁が着る物としてはウエディングドレスをイメージしていたが、遙は白無垢も似合いそうである。
「おまえ、白無垢が着たかったのか」
「そうじゃない」
凛の問いを遙は否定した。
それから、凛を見て続ける。
「おまえが和装したら、落語家みたいで、おもしろそうだからだ」
居間にいる男四人の頭に、羽織袴の凛が閉じた扇子で自分の額をぴしゃっと叩いている光景が浮かんだ。
「……ねえ、凛ちゃん、結構ひどい扱いされてる気がするんだけど、いいの?」
「いいんだ、慣れてるから……」
「慣れているんですか……」
「凛、ハルのこと宜しく頼むよ」







作品名:いつか、きっと 作家名:hujio