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風のごとく駆け抜けて

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桂水高校女子駅伝部始動!!


そんなやり取りがあった次の日。私と晴美は永野先生から教わった部室へとやって来た。

「これが部室?」
「どう見ても、部室と言う名の体育倉庫かな……これは」
なるほど晴美の言う通りだ。
よく見たらドアの上の方に『第二体育倉庫』と書かれた古いプレートが設置されている。

ドアのガラス窓に貼られてた『女子駅伝部部室』の張り紙だけが、唯一この建物が部室であると言うことを無理矢理主張していた。

「失礼します」
ノックして恐る恐る扉を開ける。

「いらっしゃい。綾子先生から話は聞いてるわ。ようこそ駅伝部へ。あぁ、堂々と駅伝部って名乗れるようになって幸せ。これも澤野さんが入部してくれたおかげだわ。感謝してるわよ」

「葵、前から普通に駅伝部って言ってた。現に入口の張り紙も……」
「うるさいわね。気持ちが違うのよ。気持ちが」
相変わらず対照的な2人だ。

「えっと、お名前……。大和葵さんでしたよね」
髪をポニーテールで結んでいる先輩に、私は恐る恐る聞いてみる。

「そんな堅苦しい言い方しなくても良いわよ」
思いっきり笑われてしまった。

「あのさ。入口で突っ立ってないで中入りなさいよ」
後ろを振り返ると、湯川麻子が立っていた。
横には藤木紗耶もいる。

「そうだよぉ。せいちゃんもはるちゃんも、もう部員なんだから遠慮せずに入りなよぉ」

「せいちゃん? はるちゃん?」
いきなり変な単語が飛び出し、一瞬戸惑う。

「紗耶は変なあだ名つける」
「酷いですよぉ。くみちゃん先輩。可愛いじゃないですかぁ」
藤木紗耶はわりと本気で怒っていた。
まぁ、喋り方はあまりそう聞こえないが、表情はあからさまにふて腐れている。

「話が進まないじゃない。とりあえず中入って!」
「あ、ごめん湯川」
「ごめんなさい。湯川さん」
 私と晴美は奥へと入る。
その態度が気に入らなかったのか、湯川麻子が「も〜う」と牛のような声を出す。

「なんでそんなによそよそしいのよ。同じ部員で同じ学年でしょ。私のことは麻子でいい。私も、聖香、晴美って呼ぶから」

「じゃぁうちは葵で」
「久美子」

ここぞとばかりに先輩2人が会話に入って来る。
いや、でも先輩方は呼び捨てに出来ないから、葵先輩と久美子先輩だな。

「あれ? そう言えば、なんで私の名前を知ってるのかな」
「昼休みに永野先生に聞いたの。って、なんで晴美はあたしの名前を知ってるの?」
麻子が不思議そうな顔になる。

「聖香が言ったから、その後に続いて言っただけかな」
晴美が苦笑いすると、麻子も意味が分かったらしく、赤面して大人しくなる。

「やっと静かになったわね。みんな聞いて」
葵先輩の一言に私達は一斉に注目する。

「今日から、この6人で女子駅伝部が正式にスタートよ。もちろん目標は都大路出場!」

かなりのハイテンションでそう言いながら葵先輩が指を指した先には、
『目指せ! 都大路! 桂水高校女子駅伝部』
と書かれた手作りの横断幕が壁に貼り付けてあった。

「昨日までは無かったのに。もしかしたら、葵さんが作ったのかも」
私の横にいた麻子がそっと耳打ちして来る。

「ところで聖香。都大路ってなに?」
さらに声を小さくして恥ずかしそうにする麻子。
そうか、麻子は中学の時、バスケ部だから知らないのか。

「12月にある全国高校駅伝が行われる京都のコースをそう言うのよ。つまりは駅伝の全国大会。各県で1チームしか出場できないの」

私も小声でそっと教えると、麻子もなるほどと頷いた。