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コメディ・ラブ

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保健室



今、俺は学校の保健室にいる。

さらに恐るべきことにあの凶暴虫食い女改め凶暴女に手当をされている。

次の瞬間、俺は衝撃の一言を耳にする。

「ごめん、私が悪かったよ」

「えっ、な、何でおまえが謝るんだよ。俺が勝手にこけたんだよ」

「……悪かったよ」

足の傷口に消毒のガーゼをあてられる。

「いてえ!!」

こいつは謝るときまで凶暴だ。

俺は机の上にあった週刊誌が目に入る。

そんなことより、当初の目的を果たさなくてはならない。

俺は真剣な顔でこいつをみる。めったに見せないリアル真剣顔だぞ。覚えとけ。

「あのさ、俺と約束してくれ」 

「……何を?」

話が通じないやつだ。

「……だから、ネットに俺の悪口かかないって」

凶暴女は呆れたように少し笑った。

「かかねえよ!」

再び、消毒のガーゼを俺の傷口につけてきた。

こいつは約束するときでさえも凶暴だ。

俺は思わず悲鳴に近い叫びをあげた。

「……人の評価ばっかり気にしてたら、ろくでもない奴になるよ」

こいつは人気商売の俺様に向かって馬鹿なことを言いやがった。

「気にして当たり前だろう。俺は、俳優だ。人の評価がすべてだ。お前みたいなお気楽な公務員先生とは違う
んだからな」

「……お気楽で悪かったな」

こいつは消毒ガーゼをまた傷口につけてきた。こいつは怒るときも凶暴だ。

「いてぇ、……俺は国民全てに好かれるよう頑張ってるんだ。幸いにも俺にはその素質がある!」

凶暴女は呆れきった顔をしている。

俺がなにか言い返そうとした瞬間、保健の先生らしき人があわてて保健室に入ってきた。

「美香ちゃん、また来たわよ」

凶暴女の顔が曇る。

「……ちょっとあとよろしく」

こいつは俺様の手当てを保健の先生と代わり、小走りに出て行った。

「なんかあったんですか?」

「ううん。いつものこと」

笑顔で誤魔化された。なんだ一体。

作品名:コメディ・ラブ 作家名:sakurasakuko