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一緒にゲーム作りませんか?

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ステージ4,ゲームと再スタート


 あれからオレ達は昭夫さん直々に会社の中を案内された。資料室やスタッフルーム、音響室などの設備を目の当たりにし、オレは感動でいっぱいだった。
 はたまたオレも知ってるゲームのシナリオライターやプログラマーの人達も紹介されて握手や挨拶を交わした。
 正直知らなかった事の連続で目が回った。でも凄く面白かった。こうしてたくさんの人が繋がってゲームが作られて行くんだなと思った。
 午後3時を回ると来栖さんは昭夫さんに呼ばれ、オレは1人で来た時と同じ車で町に戻る事になった。
 しかし帰り際だった。
「吉崎様」
 オレは神谷さんに呼び止められた。
 仁さんがどうなったかは分からないが今は彼1人だった。
「実は、貴方にお願があるのですが……」
 神谷さんは口ごもると息を吐いて話してきた。
 
 そのお願いとは仁さんを許して欲しいとの事だった。
 仁さんはいずれプラネットを背負う者になるべく、父である央真専務から勉強漬けの日々を送らされて来た。
 その央真専務も仕事で家にいる事が少なく、通っていた学校でも顔色を伺う学友しかおらず、仁さんにとってはお母さんである央真専務夫人だけが心の支えだったらしい、
 しかしそのお母さんは病気でこの世を去ってしまい、その事で仁さんは塞ぎ込んでしまったと言う、
「そんな事が……」
「その事に関して専務は酷く心を傷めておられました。そして仁様の事を社長に相談した所、アメリカから帰ってきた聖子様と会わせる事にしたらしいのです」
 来栖さんと出会ったおかげで仁さんは少しづつ変わって行き、学校にも行く事になったらしい、
「吉崎様、確かに仁様は許されない事をしました。ですが仁様も苦しんでいたんです、それだけは分かってください」
 苦しかったか……
 かつて仁さんはオレに『友達はゲームがやりたくてオレを利用している』と言って来た事を思い出した。
 仁さんはそう言った環境で育ってきたからそんな事がい言えるんだろう、神谷さんはそれだけ言うと一礼して場を去った。
 
 ここからはオレの感だけど仁さんは純粋過ぎたのかもしれない、
 唯一の理解者だったお母さんが亡くなって絶望し、新たな心のより所となった来栖さんを失いたくなくてその想いが次第に独占欲に変貌、力で脅す人間になってしまったに違いない、
 何の確証もない、ただの想像だけど、もしそうなら1番の被害者は仁さんだったのかもしれないな…… 
 オレはそんな事を考えながら車に乗った。