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サイコ・PASS 火星開拓

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社会、不適応者が行く惑星・火星



 22世紀、まだ宇宙エレベーターがない時代、日本の人口は3500万人で、約半分がアジア系の外国人。人格やストレスの高さを数値化した時代。社会に適応できない人たちは海底へ宇宙に強制移住させられる。特に日本の海域には、多くの資源が眠っているが、それも、23世紀中期には枯渇してしまうかもしれない。

 中学校で、いじめられっ子やいじめっ子は、人格検査する以前に15歳になったら、自動的に朝鮮半島での休日なし20時間労働をさせられるか、海洋資源採掘船に一年中乗る。または火星や月面での資源採掘や、火星生物の調査作業を行う。そして、火星都市建設や火星テラフォーミングのために強靱な生命力を持った藻を埋め込む。

 それでも、いじめや両親からの虐待で過剰なストレスを受ける子どもたちが多くいる。人格検査なしで朝鮮半島の工場で1日20時間労働を耐えなければならない。富裕層の子どもたちは、そのことを知っているが、貧困層の子どもたちは、ろくに学校に通えず、どこかの町工場で仕事をしている。学校に行けば、いじめや喧嘩がほとんどであるから、富裕層の子どもたちは私立の中学校に通わされる。

 西暦2160年代、宇宙開発が始まって、ちょうど200年目。火星有人飛行が定期的に行われる。サターンV型ロケットによく似たものに乗る。宇宙船は20人乗りで、宇宙ステーションで火星へ向かう宇宙船を建造する。

 西村茂雄、15歳。貧困層の家庭に育ち、中学校でいじめに遭う。平均寿命40歳の火星へと永住することになる。短い人生でも、朝鮮半島の工場でこき使われるよりはマシである。いや、多くの社会的に不適合な人たちは、最悪の場合、半島で脳内マシンの人体実験にさせられる。電脳化の試験が行われながら、過酷な長時間労働を楽しく過ごすように洗脳させられる。

 火星、それは空気がとても薄く紫外線が地球よりも強い。宇宙放射線が降り注ぐし、隕石も落ちるので危険な場所である。その中で出来の良い人間は、火星に生物学の大学があり、火星生命体の研究をして、比較的に楽な生活をする。

 西村茂雄、15歳。中学卒業後、火星へ永住する。もう二度と地球に帰ることはない。短い人生を火星で過ごす事になる。

 低い重力、室内は3分の1気圧の純粋な酸素だけ。部屋の中を突き抜ける宇宙放射線で、細胞が破壊される。低重力で骨が脆くなり筋肉が弱くなる。火星では子どもが産めないし、寿命も短い。当然、結婚なんてできるわけがない。

 いじめっ子も、いじめられっ子も人格検査やストレス検査しないで自動的に火星へと永住させられる。

 火星には、来て数年で自殺や事故でなくなった人たちの墓地がたくさんある。