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帯に短し、襷に流し

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<<閑話休題>>



 和裁・和服系の質問サイトをよく覗く。
 20年超、仕立て屋をやっているが、ワタクシの仕立て屋のピークは二十代だったといっても過言ではない。

 昔は、大手茶道の家元の着物を縫ったり、天皇のいとこのはとこの、ひょっとこの・・・・・・と、自分らと変わらんじゃないの? という程度の血のつながりのあるらしいお方の着物を縫ったり、ある時は、
「これは、やくざの親分の着物だから、心して縫うように」
と、冗談とも本気とも付かない師匠の言葉とともに、男物のアンサンブルをもらったりもしましたが、今は、ごく普通の仕立てなおしの小紋や色無地ばかり。
 この間、久しぶりに振袖を縫った。彼是もう、二、三年は縫っていない。が。残念なことは、仕立て直しだったことだ。
 新品が縫いたい。

 さて。
 質問サイトには、時々、びっくりするような情報が落ちているので、ありがたく頂戴するために覗いている。
 田舎の仕立て屋さんで、人付き合いが苦手の、引きこもりといっていいほど人とのつながりのない状況は、情報が入ってこない。
 ただ、インターネットは、ワールドワイドな世界なので、まさに砂漠でダイヤを見つけるような奇跡的出会いでもある。

 そんな中で、時に、どこからともなくコピペしてURLを張って誘導する人もいる。

 そんな時、ふと思う。

 この人は、この情報をもともと知ってて答えているのか、それとも、コピペが簡単だからしてるんだろうか??
 実際、質問項目の内容を熟知していなくても、「検索」という方法で探すとあたかも知っていたかのように振舞えるほどの情報が出てくる。
 質問者が、なぜ検索しないで質問してくるのか、も、ちょっと謎だが、知っている人の生の声を聞きたくて質問しているのかなとも思う。
 そうであれば、コピペって失礼だよね~。


 閑話休題でした。

 2012.9.4

作品名:帯に短し、襷に流し 作家名:紅絹