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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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うこん桜の香り

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水色のシャツの意味

 

川田は公務員のアルバイトが禁止されていることは承知していた。
美大の大学院時代に裸婦のパン画で生計を立てていた関係もあり、教師に採用されてからも業者の依頼を断れずにいた。
東京の画廊なので安心もしていた。ところが波子の母親に連れて行かれた画廊に自分の絵があるのには、驚いたのである。
裸婦以外の自分の絵も2点あった。
そんな時の事も心配して、サインを変えてあったので言い訳はできる自信があった。
ただ波子の事が気になっていた。
川田は波子を佐渡に行くように仕向けたのだった。
川田と波子はモデルの事もあり、何かぎくしゃくしていた。
川田は来春には転勤しようと考えていた。
それで波子との出来事も何もなかったことに出来ると考えた。
所が、波子との関係を知っている男が現れたのだ。
その男はバレーを指導している外部の者であった。
男は堀越茂と言った。
作品名:うこん桜の香り 作家名:吉葉ひろし