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千薫

2012/5/29更新


千太郎の片思い。
原作4巻の東京へ行ったときのお話。








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『恋愛と違って友情ってのは一生もんだからな』





スースー・・・

規則正しい寝息だけが部屋に響いていた。


「友情は一生もん・・・」


飲みなおすと出て行った大学生の言葉がチクリとした。

視線を天井から横へとずらせば、そこには薫が居る。
千太郎をまっすぐに見てくれる大切な友人。


そん瞳が・・・



「・・・ボン・・・」


スースー・・


「我慢せんばいかん・・」



『友情は一生』――――





「我慢せんば・・・・」


薫に掛けられた布団を直す。
その時、風が薫の髪の毛を揺らし、顔にかかってしまった。

ゆっくりと手を伸ばした。
触れた指先が熱い。
顔にかかった髪をどけてやる。




心臓がドクンと鳴った。


胸が熱くて仕方がない。





「・・・・・ボン・・・すまん。」


頬に触れ、自分の顔を近づける。

薫の息が顔にかかる。
間近で見ても綺麗な顔だった。



唇に力が入る。


それでも・・もう止められない。





「・・・・・かお―――



「律っちゃん・・・・・・・」






「・・・っ・・!!!!」






薫と千太郎の唇は触れなかった。


「はぁ・・・きつかなぁ・・」



俺はボンの友達や。



そいがいい。

それがよか・・。




一生もん・・・。





俺は一生・・ボンの・・・


ははっ・・





幸せやっか・・・





幸せやっか・・・・・


end