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衝動SSまとめ(アポロン)

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千薫






2012/5/16更新

『坂道のアポロン』より、
初の千薫小説になります。

千の片思い。
原作1巻雨の屋上ネタ。











――――――――――――――――――――




そん横顔が忘れられん。

そん横顔が見たい。



雨ば当たるそん顔は何よりも綺麗やった。


雨ば降らんやろか・・



教室の窓に、絵画のようにくぎられた空には雲ひとつない。



「おい、何外ばっか眺めてるんだ。」

「・・おーボン、」

「・・・どうしたんだ?」

「雨ば・・」

「雨?今日は1日晴れだぞ。」

「・・・そうか。」

「・・君、雨が好きだったのか?」

「んにゃ、すかん。」

「・・・・だったら、何だよ、」



「・・・ボンの・・・いや、何でもなか。」


「俺が何だよっ・・ちょっおい千!!」




あーーーっ気色悪か・・





ポケットからチャリンと音を鳴らし取り出したそれで扉を開ける。
一歩踏み出し、横を見下ろすと、千太郎の置いておいた傘が二つ。


真ん中を通り越し、奥の柵に手をかける。


もやもやすっと・・


ボンの顔ば毎日見てる。
だけん、こんもやもやは消えん。



出てくるのは・・・あん横顔・・・


はぁ・・俺はどがんしたとか・・・




「ここに居たのか。」



「・・・・・ボン。」



「そういえば・・あの雨の日、」

「・・っ・・・!!!!??」


「傘を放り投げて雨に濡れる君の姿が忘れられないよ。」


「・・・な・・」

「全く、馬鹿だよな。
2人そろってびっしょぬれになって。」

「・・・・気持ち良かったやっか。」

「あぁ、気持ちよかった。」

「・・・・。」

「あの時の傷は大丈夫なのか?」

「・・あ?・・あぁ、もう何処か分からん。」

「そうか、なら良かった。
それにしても、今日は良い天気だな。」

「・・あぁ。」

「俺は晴れてる方が好きなんだ。」

「俺もば。」

「雨降るの待ってたくせによく言うよ。」

「・・・・・。」

「あの日の帰り、覚えてるか?」

「・・・・?」


「あの日の帰り、お前は先に帰ったんだよ。
俺が大嫌いだった坂道を走って。」


「覚えとらん。」


「お先って言って走って行ったんだ。
その横顔が太陽の光で俺には眩しかった。」


「・・そん・・」


「君に憧れた。」


「・・・・っ・・」






「さ、そろそろ戻るぞ。」




柵から手を離すが、
体はすぐには動かなかった。


「・・・・・この傘、」

「・・っ・・・そん傘は、あーあれや・・置き・・」

「要らないよ。」

「・・・・・ボン・・?」

「どうせ使わない。
2人して投げ捨てるだろうからな。」


「・・ははっ・・・だな。」



「行くぞ。」






「・・・・・・・ぁ・・・。」





なん・・・顔ば熱い・・・







「おーい、千っ」


「おっおう・・」





end