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～後世に稀代の悪女と謳われた女の悲哀と真実を描く～

木檜藩主の側妾となった少女橘乃には既に婚約者がいた。
にも拘わらず、権力によって召し上げられたのだ。
　無垢な少女はやがて権力と肉欲にめざめ、藩主の寵愛
を一心に集める側室としてときめく。
　生母に愛されずに育った藩主は心に深い闇を掬わせている。
その孤独ゆえに、橘乃は余計に彼に惹かれていった。
そう、愛に溺れたのは男だけではなく、橘乃も同様であった－。

☆　これまでの私の作品に出てくるヒロイン像とは少し異なる
かもしれません。
　たいていは前向きで健気な少女たちばかりでしたが、今度の橘
　乃は前向きは前向きでも、野心はあるし、愛する男のためには
　鬼にも夜叉にもなります。
　そういう点で、私の書くものの中では珍しい作品です。作者☆