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Secret Operations

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ACT4『探索』


銃声が5回ほど響いた。それは、これから探索を始める合図の様だった。5回の銃声が響いた後には、二階の階段付近に3〜4体のゾンビが倒れていた。
「待ち伏せ紛いの事をするとはな。……恐らく今の銃声で他の奴らにも気付かれただろう。南舎に行く時は注意しろよ」
 山本はそう言い残すと、安雄と共に北舎を調べていった。
「じゃあ、そろそろ俺たちも行くか」
 安藤がそう言うと、4人は渡り廊下を渡り、南舎に向かった。途中何体かのゾンビやゾンビ犬がいたものの、4人で固まって行動しているので、近づかれるような事はなかった。やがて、安藤は渡り廊下と南舎を繋ぐドアを開けた。周囲をざっと見た感じでは、ゾンビはいなかった。
「じゃあ、この辺りから分担するか。出木杉君達は、奥の方を調べてくれ。俺達はここら辺を調べる。何かあったら迅速に行動できるように油断はしないようにな」
 安藤がそう言うと、出木杉が安藤に言った。
「ええ、解っていますよ。それじゃあ、行ってきます。安藤さん達も気を付けて」
 出木杉はそう言うと、南舎の奥の方に向かって行った。



 ――――――どうしてこうなったのか全く解らない。少し前までは至って普通だった筈だ。なのに、ほんの数時間前に緊急収集がかけられて、エマージェンシーが発生していると告げられた。そして、現地に来てみるとこれだ。一体何が起きているのか全く解らない。只、今はこのはる夫君と無事で探索を終えられるように奮闘しなければな。
「あの、安藤さん」
 すぐ傍にいるはる夫君が話し掛けてきた。
「ん、なんだいはる夫君?」
「安藤さんって、SAT隊員だかなんでしょ? この状況になった原因とか解ってないんですか?」
 ……これは困ったな。考えてみれば、SATで鍛えられている俺たちの違ってこの子は普通の小学生だ。極度の不安と緊張でおかしくなる事も考えられる。他の二人の小学生もそうだが、今は何とか精神が保っていられている。しかし、じきに精神が崩壊する事も考えられる。ここは、大人の俺が何とかしなければいけない所だが、残念ながら俺にもこの原因は何も掴めていない。そもそも、奴らが一体何者なのかすら解っていない。しかしそれでも何か言わないといけないだろうな。
「はっきり言うと、原因は今の所、何も解っていない。だが、こういう事は世間にはあまり知られてないがSATじゃこういう事件も珍しくないんだ。だから、今回も何とかなるさ」
「そうなんですか! じゃあ安心ですね」
 ――それは嘘だ。SATでもこんな事件は前代未聞だ。だが、不必要に不安にさせる事もないだろう。山本の方は大丈夫だろうか? あいつは他人への配慮が欠けているから、小学生に対してもズバズバものを言いそうだ。……二階の探索が一通り終わったら、山本とこれからの事について話し合うか。
そんな事を考えながら、探索を進めていたが、案の定、怪物たちは容赦なく向かってきた。幸い、囲まれるような事はなかったし、一斉に大量の数が一斉に襲い掛かってくる事もなかったので、二人とも無事で奴等を倒せた。
「はる夫君大丈夫か?」
 俺がそう尋ねると、はる夫君はいつもと変わらない口調で言う。
「うん、今のところ特に怪我もしてないよ」
「そうか、なら良かった」
 はる夫君は特に気負っている訳では無さそうだった。この分だったら、俺がしっかりしていれば案外無事に済むかもしれない。最初の頃はどうやったら奴等を始末できるのかと不安だったが、倒し方が判ると案外手強い相手ではない事がはっきりした。スピードが速い犬に気を付けていれば、恐らく負傷する事は無いだろう。意外と、特に問題もなく終わりそうだな。……でも、さっき玄関にいた奴は何処に行ったんだ? 出木杉君がその怪物を見たらしいが、色々騒ぎがあったせいで俺は確認し損なった。出木杉はカメレオンみたいな巨大な生物と言っていたが、今後の為にも奴等の事はよく知っておくべきだろう。あとで出木杉君にこの事の詳細を訊いておくか。
 ――俺はそう考えながら、単純作業に等しい探索をしていた。





























 暫くすると、二階南舎の西側の探索は終わった。まぁ、探索というより安全確保に近いが。とにかく、俺達の仕事は一旦終了した。ここで出木杉君達を待とう。














 一方、安藤達が探索を始めた頃、出木杉とナーシャはある会話をしていた。
「……金田正宗の作戦内容の事だけど、何か解ってる事とかある?」
 僕はナーシャにその事を訊いた。僕が解っているのは、金田はB.C.W.の戦闘データを取る仕事があるという事だけ。詳しい作戦内容は解っていない。先程のナーシャと会話した時に、ナーシャも金田の作戦内容については知らないようだったが。
「さっきも言ったけど、厳密な作戦内容については知らないわ。……でも、あいつの性格から察すると、恐らくのび太君達に接触するんじゃないかしら?」
 ナーシャのその言葉を聴いた瞬間、僕はやっぱりかと思った。あの時は何故金田が校舎にいたのか疑問に思ったが、冷静に考えれば、それの妥当性も見えた。この作戦の肝は、B.C.W.の戦闘データを取る事や、ススキヶ原研究所のN.A.C.B.C.W.のデータを奪取する事ではない。本当の目的は、のび太君の戦闘能力を計る事だ。まあこれは僕の単なる推測にしか過ぎないが、多分これであってるだろう。この作戦には、のび太君に深く関わってきたドラえもんも参加している。そもそもこの計画を発案したのはドラえもんだ。容易にB.C.W.の戦闘データを取る方法は他にもあったというのに、わざわざのび太君達にB.C.W.をぶつけるという作戦にした。のび太君の戦闘能力を計る目的でなければ、こんな面倒な事はしないだろう。しかし問題は、金田正宗がどんな目的でこの作戦に積極的に参加したかという事だ。もしかしたら、のび太君達を利用して何か事を起こそうとしているかもしれない。……よくよく考えてみれば、この状況は何をやっても許される状況だ。法執行機関は勿論機能しないし、ナムオアダフモ機関の上層部も、N.A.C.B.C.W.の戦闘データ以外には興味がないだろうから、工作員や隊員の動向をいちいちチェックしてはしないだろう。金田の動向を確認できるのは僕達だけって事だな。B.C.W.を使ってちまちま殺戮を繰り返す位なら最悪の事態は避けられる。しかし、ナムオアダフモ機関で極秘に開発しているウィルス類を使用して何かしようというなら脅威になる。そうなる前に何か手を打てればいいけど。
僕がそう考えていると、ナーシャが話し掛けてきた。
「……のび太君達は私達の予想以上にやってくれそうだけど、金田が何かと突っ掛かってきそうね」
「うん多分ね。予想されうる事態としては、ウィルスで何か行うってところだけど」
「それの可能性が一番高いわね。何にしても、今は金田の居場所を把握する事が先決ね」
作品名:Secret Operations 作家名:MONDOERA