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Episode7,集結、4人のセイヴァー・エージェント



 もうすぐ7月になろうとしている時だった。プール開きも近いと言う事で生徒会は水泳部と共同でプール掃除をしていた。
 プールの中を洗剤とブラシで磨き、シャワーを点検し、更衣室の状態をチェックしていた。
「熱い……」
 私は額の汗を手の甲で拭った。
 しかしここに表の熱さとは裏腹に物凄く張り切っている男がいた。
「うりゃあああっ!」
 そうバカ兄貴だった。
 プールを1日好きにして良いと言われて掃除を引き受けたのだった。
「アンタ、そんなに楽しいわけ?」
「ん、当たり前だろ、お前は楽しくないのか?」
「別に」
 私が言い返すと兄貴は目を細めた。
「お前もしかしてまだ泳げないのか?」
「なっ、何言って……」
 否定できなかった。
 自慢じゃないけど私は15メートルも泳げなかった。本当に自慢するような事じゃないけど……
「べ、別に泳げなくても死ぬ訳じゃ無いわよ」
「泳がなくても、丁度暑くなって来たんだし、浸かってるだけでも涼しいだろ」
「……だったらエアコン効いた部屋で勉強してた方が良いわよ」
「勉強なんていつでもできるだろ、泳ぐのは夏しかできないって、一緒に遊ぼうぜ」
 今時泳ぐのは夏じゃなくても出来るって、私は泳ぐ気無いけど……
 なんでそこまでして泳ぎたいのか分からなかった。宇宙に行って水泳が好きになったのかしら?
「え、何々? マイって泳げないの?」
 すると不破さんが言って来た。
 不破さんも兄貴と同じ条件でプール掃除を手伝っていた。
「不破さんは泳げるの?」
「うん、泳ぐの得意だよ、アタシ達は水の中でも生きられるから」
 不破さんの故郷ドラン星は5割づつ、陸と海に分かれている、固体によっては水に入れない者と水の中でしか生きられない者もいるが、不破さんの場合は水の中でも生きられる種族だと言う、
「セイヴァー・エージェントになる前は海の中で暮らしてたんだよ、だから泳げるのってすごくワクワクするんだよ」
 不破さんは本当に嬉しそうだった。
 でも兄貴が普通に泳げるのは分ってるけど、それほど楽しみに出来る意味が無かなった。
「タクミも泳ぐの好きなんだね、アタシ始めて知ったよ」
「バカ言うな、水浴びなんかどうでもいい、オレはただ舞の水着姿が…… あっ」
「聞えたわよ!」
 私の怒りが頂点に達し、ブラシを持つ手に入ると下心満載の兄貴に向って振り下ろした。
「このセクハラ野郎っ!」
「ぐはぁ!」
 私の一撃が兄貴の唐竹に炸裂し、兄貴はその場に倒れた。