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Episode6,本当に大事な物は……


 
 水城先輩の事件から数日後のとある日曜日、私は桜星町を走りまわっていた。
「全く、私だってこの辺あんまり来た事ないってのに……」
 私は膝に手を当てながら商店街を見回した。
 実は今朝勉強しようと思っていた私の所に兄貴から電話がかかって来た。
 何でも不破さんが里中先生とケンカをしたらしく、マンションを飛び出してしまったと言うのだった。
 すると駅前を探していた兄貴から電話がかかってきた。
『舞か、そっちはどうだ?』
「こっちはダメ、兄さんの方は?」
『こっちもだ…… ったく、あのバカどこに行きやがったんだ?』
「人ごとみたいに言わないの、兄さんにだって責任あるんでしょ?」
 不破さんが家出をした理由、それは兄貴が教えた趣味にあった。
 実は不破さんは地球に来てからと言う物、生活費をアニメやマンガやゲームにつぎ込んでしまっていると言う、
 それは2人がまだ候補生だった頃、ゼルベリオスには娯楽と言う物が無いらしく、記憶再生装置を使って生まれ故郷の星の面白い物を見せ合っていたと言う、
 記憶と言うのは例え本人が忘れていても脳がしっかり覚えていて、映画のように映し出す事が出来ると言う、中でも地球のアニメにマンガにゲームは大人気だったと言う、
 地球が誤解されなきゃ良いけど……
『てっきりゲーセンにでもいると思ったんだけどな……』
「お金持って無いんだからゲーセンに行っても無駄だと思うけど?」
『それもそうだな、じゃあ何か見つけたら連絡してくれ』
「分かった。 ……はぁ」
 私はため息を零しながら電源を切った。
 何で私がこんな事をしなければならないのかと疑問に思った。
 今回は不破さん個人の事なんだから私は関係ないはずだ。断るなり適当に嘘をつくなりして誤魔化せば良いと思った。しかし断る事が出来なかった。
 兄貴から協力を求められた瞬間、私の脳裏に何かが浮かんで消えてしまった。
 それは何かは分からない、だけど今回と同じような事が起こった気がして、気が付いたら兄貴に協力していた。
「デジャ・ブって奴かしら? まぁ、いいか」
 私はその場から歩き出した。