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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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最終章 永遠の魔法少女



 鹿目まどかと、その仲間達が、魔導師となってから、
長い年月が、過ぎた。

 その間に、幾多の激しい戦いが、起こったが、
まどか達は、友情と強い信念を持って、その戦いに
勝利して、多くの尊い命を救う事に
成功したのである。

 そして、今―― 第一線を、退いた、鹿目まどかは
一児の母となっていた。

◇ ◇ ◇

「はあっ! はあっ! はっ!」

 まどかは、赤い夕日のさす、道を必死に走っている。

「もうっ!

 何で、『迎えの時間です』って――

 教えてくれないの?!

 ラファエル!」

〔アイム ソーリー マイ マスター〕

 まどかの、ブレスレット型デバイスの、
ラファエルが応答する。

「もう、知らないっ!」

 口をとんがらせつつ、走り続ける、まどか。

「まあ、そう言うな、まどか」

 そう上空から、声をかけるのは、
空飛ぶ、カラス――いや、黒い鳥の姿をした、
生体端末――ゾラである。

「ゾラさん――もう、定期メンテナンスは、
終わったの?」

「ああ――さっき、ミッドから、マリエルに、
転送してもらって――こっちに、戻ったところ
じゃよ」

 走るまどかの、肩にとまって、答えるゾラ。

「『八神提督』も、元気じゃった。

 久しぶりに、まどかに、会いたい、と言うておったぞ」

「そうなんだ。

 私も、会いたいけど――忙しいからね」

「うむ――ヴィヴィオと、アインハルトも、管理局
魔導師として、活躍中じゃ。

 もう、数多くの、難事件を解決したと聞く。

 なのはに似て、やさしい子達、じゃからな――

 たとえ、戦う相手が、悪人であっても、

 その心を、しっかり、受けとめ、――

 社会復帰出来るように、導いておるそうだ」

「すごいね――2人とも。

 たぶん、もっと強くなれるよ、――

 あの子達なら――」

「それは――ともかく――

 お前は、愛する娘を、待たせておるのだろう?

 もっと、急ぐ必要が有るのでは?」

「そ、そうでしたっ!!」

 慌てて、速力を上げる、まどか。

 商店街を、陸上選手も顔負けの、猛スピードで、
駆け抜ける。

 だが、いくら、歴戦の、魔導師でも、地上を
自分の足で、走るスピードには、限界があった。

 しかも、ここは、『地球』の、都市部である。

 『見滝原』では、無いが――

 人目の有る場所で、魔法を使う訳には、
いかなかった。

「まどか! 私に、まかせて!」

「ふええっ? ほ、ほむらちゃん?」

 あっと言う間に、まどかは、暁美ほむらに、
『お姫様だっこ』されている、自分に気づく。

 まどかも、ほむらも、年齢相応の、普段着である。

 まどか、以上の、高速で、つっ走るほむら。

 通行人が、一体何事かと、不思議な女性、
2人に注目した。

「うえええー?!

 ほ、ほむらちゃん――

 これは、さすがに、恥ずかしいよっ!

 お願い――お、降ろしてっ!」

 まどかは、じたばたして、抗議するが――

「だめよ! まかせて、と言ったでしょ?」

「で、でも、ゾラさんも、いるし――」 

「ワシの事は、気にするな!

 まどかは、急ぎたいのじゃろ?

 ほむら! ウリエル!

 時間流制御じゃっ!」

 まどかの肩に、しっかり、つかまって、
ゾラが、叫ぶ。

「ちょ、ちょっと、待って?!」

 大声を出す、まどか。

「はい! 行きますっ!

 ウリエル!

 タキオン・ドライブ!」

〔タキオン・ドライブ・スタート!〕

 ゾラが、サポートしてくれたおかげで、
ほむらは、変身もせず、ウリエルは、
待機状態の、指輪のままで、
タキオン・ドライブを発動出来た。

 ほむらと、まどかの、体を、紫色の、輝きが、
包み込み、彼女らは、超加速状態を得る。

 2人のスピードは、音速を突破して、
さらに、速度を上げた!

「ほえー?!」

 すっとんきょうな、声をあげる、まどか。

 『何か』が、超音速で、町の中を、爆走していった。

◇ ◇ ◇

 ここは、とある、保育園。

「ふうっ…………

 観鈴(みすず)――また、夏や。

 また、夏が来たで。…………

 あんたが、好きやった夏が――」

 その、年配の女性は、遠い空を見上げ、――
誰かに、語りかけるように、つぶやく。

 まだ、初夏であり、

 ――風は、

 ――誰かの、あたたかい手のように、

 ――やさしく、ふいた。

「ウチな――最近、妙な事が頭に浮かぶんや。

 気のせいかも、知れんけど、――

 いや、年のせいかも、知れんが――

 この世界は、いつも、誰かに、見守られてる。

 そして、どこかで、誰かが、――

 ウチらのために、戦ってくれてる。

 とっても、やさしい誰かが、そこに、いてはる。

 なぜか――そんな気がするんや。

 ははっ――何言ってるか、分からんなってきたな、ウチ。

 …………………………

 ―― にしても、まるで、あんたを、

 追いかけるように、とも子はんまで、

 いってしまうやなんて、

 ウチなんだか、――

 悲しいわ。

 ――心に、ぽっかりと、穴が開いた気分や」

 そんな、独り言? を、つぶやいていた女性は、
背後に、人の気配を感じて振り向いた。

「あ。

 ああ、『さやかちゃん』。

 あんた、まだ、おったんやな。

 お母さん、まだ、迎えに来んのか?」

 女性は、そこにいた、小さな女の子に、聞いた。

「うん…………」

 『さやか』と、呼ばれた、女の子は、
とっても、小さな声で答えた。

「そうか、そうか。

 ――じゃあ、お母さん、来るまで、

 晴子先生と、遊ぼか?」

 にっこりと、笑う、『神尾晴子』。

「うん……」

 再び、か細い、声で答える、『さやか』。

 しかし――

「あっ」

 良く知る人の、到着に、少女は、
小さな叫びをあげる。

「はあっ、はあっ。――

 さやかちゃん!

 ごめんね――遅くなって!」

 そこにいたのは、保育園の出入り口に、
滑り込んだ、鹿目まどかだった。

「お母さーん!」

 母親の胸に、元気良く、飛び込む『さやか』。

 この何年間かの――恋愛――結婚――妊娠――出産

 ――育児と、それらの体験は、――

 鹿目まどかにとって、大変な事柄であると同時に、

 新鮮な驚きと、喜びでもあった。

 愛する我が子を、抱きしめながら――

 まどかは、昔、母親に言われた
 『大人は、辛いぶんだけ、楽しいぞ』と言う言葉を
 今、実感していた。 

「神尾先生、すいません、迎えが遅くなってしまって」

 まどかは、神尾晴子に、『ペコリ』と、
頭をさげて、あやまった。

「ああ、ええんや、そんな事は――

 にしても――」

 晴子は、まどかの、肩に、とまっている
『カラス』を、見つめる。

「そのカラス――やっぱ、なんか、似とるな。

 ウチや、観鈴と、一緒にいた、カラスの
『そら』と――」

 近づいて、『ゾラ』の顔を、覗き込む、晴子。