二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

INDEX|60ページ/97ページ|

次のページ前のページ
 

第13章 幻の支配者(前編)



 『卒業式』から、一週間は、あっと言う間に過ぎた。

 この一週間、杏子と、まどかは、
元、機動六課の本部隊舎だった施設に寝泊りして、
マミと、ほむらも、それに付き合った。

 そして、疲労を溜めないように、注意しながらも、
杏子と、まどかは、――ほむらと、マミの協力のもとで、
――体力増強と魔法戦闘の、基礎トレーニングを、
続けたのである。

 そして、模擬戦当日の午前6時、食堂に集合した4人の姿があった。

 全員、時空管理局の制服が、意外と、似合っている。

「皆、おはよう!」
 少し眠い目をこすりながら、まどかが挨拶する。

「おはよう、まどか」
 ほむらも、まどかに挨拶をする。

「よう、まどか!
 きのうは、良く眠れたかい?」
 杏子が、まどかに尋ねる。

「うん。
 まあまあかな?」
 返事をする、まどか。

「2人とも、今日は大事な模擬戦なんだから、
朝食はちゃんと食べないと、駄目よ」
 マミが、2人に、注意する。

「へいへい!
 さてと、今日の朝食は?」
 杏子が、自分の食事分を取りに行く。

「まどかは、ここで待っていて。
 あなたの分も、私が取ってきてあげるから」
 ほむらが、まどかに、そう言うが、――

「ううん。
 一緒に取りに行こう、ほむらちゃん」
 そう言って席を立つまどか。

「じゃあ、私は、席を確保しておくから、
私の分をお願い出来るかしら」
 マミが、2人に、依頼した。

「はい! ちょっと、待っててくださいね」
 まどかと、ほむらは、朝食を取りに行った。

 この施設は、現在、管理局に就職予定の、
新人魔導師の育成・訓練を目的とした総合センターと
して使用されており、食堂も、早朝から、
かなり混んでいたのである。

 食事を始めたものの、この後の模擬戦の
話題で、なかなか食の進まない4人。
 
「あたしの件は、ともかくさ、
なんで、まどかが、また模擬戦やらないと
いけないんだ?」

 杏子の頭の上に、『?』マークが、7個は
浮かんでいる。

「やはり、気付いている?」
 ほむらが、まどかに、小声で尋ねた。

「たぶんね。

 なのはさんは、歴戦の勇者だし、

 気付いていても、おかしくないよ」
 まどかも、ほむらにだけは、
はっきり聞こえるような小声で答える。
 
 ――ほむらと、まどかが、
2人だけにしか、分からない話をしていた。

 当然、杏子と、マミは、面白くない。

「もう、さっきから、何?

 私達にも、分かるように、ちゃんと
説明して欲しいわ」
 マミが、正直な気持ちを打ち明ける。

「そうだぜ。

 あたしら、は、…………

 何なんだろうな?」

 杏子が、固まった。

「え?」
 マミが、杏子に視線を向ける。

「いや、――

 ほむらと、まどかは、間違いなく、友達っつーか、
親友だろ。

 でも、あたしと、マミを入れて、この4人組って、
改めて考えると、一体何なんだろうなって、
今、そんな事を思っちまってよ」

 杏子が、食堂の天井を見つめながら、
そんな事を言った。

「バカね、――」
 マミが、つぶやく。

「へ?」
 杏子が、マミの方を見た。

「そんなの、決まってるじゃない!

 友達! そして、仲間よ!

 大切な、ね」
 
 マミが、はっきり言い切った。

「友達・仲間、……」
 まどかが、マミの言葉を繰り返す。

「そうか。

 そういや、そうだよな。

 …………へへっ

 それじゃ、今日は、その友達と仲間の名誉の
ためにも、頑張るとしますか!

 なあ、まどか!」
 杏子が、いきなり、まどかに話を振る。

「え?

 う、うん、頑張ろうね、杏子ちゃん」

 慌てて、返事をするまどか。

「まあ、鹿目さんの、模擬戦は午後の予定だけど」

 単なる練習だからと、少々、のん気な、マミ。

「でも、――無理は、しないでね、まどか」

 心配な表情のほむら。

「うん、ありがと、ほむらちゃん」

 まどかは、笑顔で答える。

「まったく、ほむらは、まどかに対して、
少し、過保護過ぎんだよ。

 まどかだって、あの、なのはさんの、
4ヵ月の特訓に耐えたんだぜ。

 もう少し、自分の親友を、信頼しろってぇの。

 もぐもぐもぐ」

 管理局、特製の大盛りスパゲッティを、
頬張りながら、杏子が、ほむらに苦言を呈する。

「それは、分かっているんだけど。

 …………」

 朝食をつつきながらも、まだ、心配しているほむら。

「ああ! そう言えば、急いで、食べないと!

 時間は、待ってくれないわよ」

 マミが、大事な事を思い出した。

「私、まだ半分も、食べてないよ」

 まどかは、少し食欲がないようだ。

「だ、がら、皆、急いで……食べろ、っで。――
 もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ」

 スパゲッティを食べ終わる杏子。

 ――そんな、事をやっている内に、
時間は過ぎて、――模擬戦の開始時間がやって来た。

◇ ◇ ◇

 午前8時45分、練習場の前には、
すでに、杏子とティアナ・監督責任者の高町なのは、
それに、見学者達が集まっていた。

 ただし、辺境自然保護隊の仕事が忙しく、
時間が取れなかったらしい、エリオ・キャロの姿は、
なかった。

 ネコみたいな名前の、某提督の奥様も、
今日は家事が忙しいので、来れないと、連絡あり。

 まだ学生であるヴィヴィオと、アインハルトも、
今日は学校があるので、来ていない。

 そして、フェイトも、任務で出張中との事だった。

「フェイトは、また例の助っ人探し、ですか?」
 ほむらは、友人の、事が気になるようだ。

「うん。今度はちょっと時間が、かかる――かな?」
 なのはが、ほむらに、答える。

「本当なんですか、あの噂。
 今回の候補者が、自分の自意識を持つ
『ロボット戦士』だって?」
 ほむらが、最近耳にした噂の真偽を、なのはに質問した。

「本当だよ。すごいパワーと、強い正義感を持ち、
それでいて、あたたかな心、――やさしさも、
ちゃんと、有る子だって聞いてる」
 なのはが、真相を話した。

「そ、そんな感じのロボット戦士?
 なんか全然、想像出来ない」
 マミの顔に、珍しく『?』マークが浮かぶ。

「まあ本来、戦闘用ではないらしい、から、
戦士って言うのは、こっちの勘違いかも」
 なのはが、さらなる、事実を暴露する。

「それで、戦闘の役に立つんでしょうか?」
 ほむらは、疑問を持つ。

「卒業式で、まどかちゃんの、答辞に有った通り、
チカラだけでも、想いだけでも、駄目なんだよ。
 実際に、そのロボット君に会ってみないと、
何も分からないと、思うよ」
 なのはは、自分の考えを、ただ説明した。

「………………」
 何かじっと、考えているほむら。

「さあ、そろそろ時間だ。

 見学者は、もう少し後ろに、下がろうね。

 ティアナと、杏子ちゃんは、バリアジャケット装着!」

 全員に指示を出す、なのは。

 今日の練習場の、エリア設定は、
どこかの異世界の荒野だった。

 岩がごろごろしていて、丘や山もあり、遠くには、
湖も見える。

「セット・アップ!」