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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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第11章 さやか



 ここは、高次元世界。

 この世界では、数多くの高次元生命体が、生活している。

 ある町の、喫茶店『マギア』の前に、3つの人影が、有る。

 初代リインフォースと、美樹さやか、
そして鹿目まどか、であった。

 まどかの、周囲を美しい、光の粒子たちが、
舞い踊り、彼らは、次々にまどかの、体の中へと、
飛び込んでいく。

「みんな、お帰り…………

 ごめんね。

 痛かったよね。

 つらかったよね。

 苦しかったよね。

 本当に、――――

 本当に、ごめんなさい」

 まどかは、大切な、誰かを、抱きしめるように、
何かを胸に受けとめるような動作を、してから、
自分の肩を抱いた。

「でも、みんな、もう大丈夫だから。

 ――これから、私達の間違いを、修正するから、――

 消してしまった、罪も無い人々も、
傷つけてしまった人も、物も、全て元に戻すから、――

 だから、みんなのチカラを貸して!!!」

 ウエートレス用のユニフォームを着ていた、
まどかの、体が、眩い光に包まれ、
その姿を変える。

 光は、白いドレスのような衣服となって、
彼女の体を彩っていく。

 ――足の靴からは、小さな白い羽根。
 ――背中からは、巨大な白い翼。

 それは、正に、宇宙最強の、魔法少女、――
ハイパー・アルティメットまどかの姿だった。

 ゆっくり、目を見開くまどか。

 その瞳も、金色に輝いている。

「因果律、逆転、――有は有に、無は無に。

 天は天に、星は星に、人は人に。

 円環の理よ、我が意に従い、全ての過ちを、浄化せよ!」

 まどかが、特殊な『言霊』(ことだま)を唱えると、
彼女の体から、七色の不可思議な、輝きが、
四方に、放射され、――その輝きは、瞬時にして、
あらゆる時空間に、影響を与えた。

「ふうっ。これで、なんとか、……」

 地面に、座り込む、まどか。

 服装と、瞳の色が、元に戻っている。 

「うーん。

 だけど、…………どうしようか。

 このままじゃ、私、人間の自我が消えて、
魔力のコントロールができなくなっちゃう。

 そうすると、宇宙のルールを、保持できないよ。

 本当の事、言うと、魔獣の行動は、私としても、
想定外だったから。

 『魔女』の代わりに何か、出現する事は、
予知出来たけど、宇宙の状態を元に戻そうとする
存在が、生まれる事までは、感知出来なかったし」

 まどかは、これからの、行動に関して、悩み始めた。

 あまり、時間の余裕が有る訳では無かった。

 早く解決策を見つける必要があったのだ。

 しかし、そんなまどかを、尻目に、なにやら、
ヒソヒソ話をしている、さやかと、初代リインフォース。

 まどかは、何故か、不吉な予感を持った。

「それじゃ、大丈夫だよね? リインさん」

「はい! あれだけの、魔力エネルギーが
有れば、絶対にうまく行きます!

 私も、サポートしますし、…………」

 2人の話す内容が聞こえてきて、
まどかの、いやな予感は、やがて大きな不安へと、変わる。

 それは、…………

「2人とも!

 何、さっきから、こそこそ、内緒話をしているの?!

 一体、何の話?!」

 まどかは、わざと、こわい顔をして、
2人を詰問する。

「あ? あー、いや、そのー」

 何か隠している、風体の、さやか。

「え、ええと、まどかさんの、懸念されている、
事柄について、解決策を、ですね。

 そのー、いろいろと、相談を」

 壮絶に、わざとらしい、初代リインフォース。

「それで、何?!

 その解決策って?!」

 2人の企みの、中心は、そこに有りそうだと、
推測する、まどか。

「もう、隠す必要も、時間もないでしょう?

 さやかさん?」

 リインフォースが、さやかに、決意を促す。

「そう……だね。

 うんっ!

 まどか!

 まどかは、もういいよ!」

「もういいって?

 さやかちゃん、それって?」

「いわゆる、――選手交代って、ヤツだよ!

 今まで、まどかが、やってた事は、
全て、あたしが、引き継ぐ!

 まどかは、――人間の世界に帰るんだ!!」

「!!!!!!」

 さやかの言葉に、絶句する、まどか。

「な、何言ってるの?

 さやかちゃん。

 まったく、訳が、分からないよ」

 本当は、分かっているのに、とぼける、まどか。

「その話、――ワシにも、詳しく聞かせて
もらおうかの?」

「ひ?!」

 声のした方を見た、まどかが、小さな悲鳴を上げる。

 赤い服、赤い髪、赤い瞳、真っ赤なマフラー…………。

 そこには、魔女 ―― サリー・ザ・マジシャンの
姿が、あった。

 ちゃんと、頭が有って、しゃべっている。

「サリー ……」

 リインフォースは、サリーを、じっと、見つめた。

「久しぶりじゃの? リインフォースよ」

 旧友に、会ったかのように、挨拶するサリー。

「ええ? 知り合いなんですか?

 リインさん」

 まどかが、驚いて尋ねる。

「はい。
 もう、何千年も、昔の事ですが」

 まどかの疑問に答えるリイン。

「まあ、そう警戒するな、鹿目まどか。

 お前は、もう、邪悪では無い魔女達を、
滅ぼすつもりは、無いのじゃろ?」

 サリーが、まどかに、尋ねる。 

「勿論です。
 罪のない『魔女と呼ばれる人達』を
攻撃した事は、誤っても、許される事では、
ないと思っています」

「だからこそ、お前は、宇宙の状態を、
修正して、傷ついた者の傷も癒したのだろ?

 ならば、ワシと、お前が、これ以上、
争う必要も有るまい?

 違うかね?」

「はい。 
 私も、無益な争いは、望みません」

「ならば、仲直りじゃ」

 まどかに、手を差し出す、サリー。

 静かな、高次元空間の街中で、
宇宙最強の魔法少女と、
宇宙最強の魔女は、あつく握手を交わした。

「それにしても、サリー、
良くここに、入れましたね。

 ここは……」

 リインが、サリーに対しての疑問を口にする。

「ああ。

 ワシは、自分が肉体的に死んだ場合、
高次元生命体として、復活出来るように、
体内の『超次元システム』を設定して
おいたのじゃよ」

「なるほど、……」

 納得するリイン。

「それで、リイン。

 さっきの、話じゃが」

「はい、……まどかさんの内部には、
まどか軍団を構成していた、魔力の
エネルギーが、全て、戻って来ました。

 そのチカラは、神に等しい程だ、
と言われています」

「じゃが、人間1人では、そのチカラの巨大さに、
耐えられず、人としての自我が、崩壊する」

「そこで、今度は、まどかさんの魔力の、
ほぼ半分を、さやかさんに移しかえる事に、します」

 リインは、自分が考えた計画の内容を、明らかにした。

「そ、そんな!」

 慌てるまどか。

「私と、さやかちゃんでは、魔法少女としての、
能力や状態の違い、が大きすぎる。

 はっきり言えば、さやかちゃんでは、
半分の魔力でも、それに潰される!」

 真実を、はっきり口にするまどか。