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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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第9章 伝説



 ――!!!!!!!!!!!!

 ……………………………………

 いやな、音がした。

 2つの、巨大な金属の物体が、衝突した様な、……

 何かが、壊滅的に、破壊された様な、……

 ――???

 ここは、真空の宇宙空間である。
 本来なら、音など、するはずが無い。

 ――では、今の凄まじい破壊音は、
一体何だったのか?

 光速で飛行する2つの物体が、
激突した衝撃で、重力波が生じたとしか
思えなかった。

 ――その『いやな音』を聞いた誰もが、
凍りついたように、動きを止めていた。

「う、ウソだろ。

 ほ、ほむら?! まどか?!」

 息をのむ、ボロボロになっている杏子。

「暁美さん?! ま、まさか、そんな!
 そんな事って!」

 傷ついた杏子を抱きかかえたマミも、
絶句する。

「いや、ちょっと、待って!

 あそこを、良く見て!」

 宇宙空間の一点を指差す、なのは。

 ――そこには、……

 そこから、金属の破片の様な物が、
飛び散っている。

 ――それは、リーダー格まどかと、
ほむらが手にしていた、魔力刀の残骸
であるらしい。

 ――その近くで、ほむらは、
『鹿目まどか』を、しっかと、抱きしめている。

「無事だったか、――

 なんだよ、心配させやがって!」
 杏子は、ボロボロ涙を流しながら、
文句を言った。

「ごめんね、ほむらちゃん。

 ごめんなさい、迷惑をかけて。

 私、私、……」
 泣きそうな顔で、謝るリーダー格まどか。

「いいのよ、まどか」
 ただ、静かにまどかを、抱きしめるほむら。

「だけど、私は、……

 私は、本物の、『鹿目まどか』じゃない!」

「ううん、

 今、私の目の前で泣いている
 まどかは、ニセモノでも、コピーでも無い。

 私の大切な、……

 大切な、……

 私の、たった1人の、最高の友達 」

 いつの間にか、2人の目からは、
とめどなく、涙が零れ落ちていた。

「ほむらちゃん、…………

 …………う?!

 ううっ! 

 うあああああああああああああああ!!」

 まどかの顔が、突然ひどい苦痛に歪んだ様な、
表情に変わった。

「まどか?!

 まどか!

 どうしたの?!

 まどかぁ――――!!」

 リーダー格まどかの、
手の中に、先程と同じ形の魔力刀が
実体化する。

 その武器を持つ腕が、ブルブルと震え、
その腕を、もう片方の腕で、
必死に抑えるまどか。

「まどか?!」

「い、いやだ!

 いやだよ、ほむらちゃん!

 私、もう戦いたくない!

 もう、誰も傷つけたくない!」

 まどかの、表情が、さらに
激痛に耐えているように、歪む。

「まどか! まどか!」

「ううっ! うううう!

 あああああああああああああああああっ!!!」

 どうすれば、そんな表情になるのか、
地獄で、体を生きたまま焼かれる、罪人のごとく、
リーダー格まどかの顔が、痛みに苛まれる。

 彼女の、凶器を手にした腕は、それ自体に
自分の意思が有るかのごとく動き、今にも、
ほむらを、斬り殺そうとするかのようだ。

「まどか!
 まどかぁ!

 私には、何も出来ないの?!

 私の、目の前で、まどかが
 こんなに、苦しんでいるのに!

 私に、出来る事は、ないの?」

 ほむらには、自分の命の危険など、
どうでも良かった。

 まどかの感じている苦痛を、
どうすれば、打ち消せるのか、
それだけを、知りたかった。

「いったい、何が起きている?」
 遠方から、異変に気付いたシグナムが、呟いた。

 その時だった。―― シグナムの意識に、
懐かしい友の声が聞こえてきたのは。

「シグナム! シグナム!

 私の声が、聞こえますか?

 ――シグナム!」

「その声は?!

 ま、まさか、初代リインフォース?

 お前か?!」

 驚いたシグナムは、思わず尋ねた。

「ああ、
ちゃんと聞こえているようですね。
 良かった」

「な、なぜ、
消滅したお前が?!

 お前は、今、どこにいる?」

「その話は、後回しです!

 今、優先すべきは、鹿目まどかの救済です」

「う、うむ」

「いいですか、シグナム。

 時間が無いので、詳しい説明は、
省きますが、まどか軍団は、『魔女』を、
滅ぼすためだけに、魔力を実体化させて、
生み出された、魔法兵士です。

 そのまどか軍団の、リーダーである軍団長を、
戦いに、縛り付けているモノは、
オリジナルの、本物の『鹿目まどか』の
願いによって生まれた、『戦いの因果』です」

「ならば、どうすればいい?」

「彼女を縛っている『戦いの因果の糸』を
破壊するしか方法は、ありません」

「『戦いの因果の糸』だと?!
そんなモノがどこにある?」

 シグナムは、いまだ、苦しみ続けている、
リーダー格まどかの周囲を、凝視してみたが、
初代の言う『戦いの因果の糸』などは、
全く知覚する事が出来ない。

「これは、特殊な次元空間に存在しているので、
普通は、見る事も、認識する事も、出来ません。

 しかし、今、私は、本物の『鹿目まどか』の、
目の前にいて、彼女と、意識をリンクさせています。

 今から、私の、認識している『戦いの因果の糸』を、
あなたの、視覚に、投影します」

 初代リインフォースの解説の後、しばらくすると、
シグナムは、自分の額に、〔ジーン〕とする鈍痛を、
感じ始め、 ―― リーダー格まどかの背中から、
背後の、宇宙に伸びている、不思議な色合いの、
糸状の巨大な繊維が見えてきた。

「むう! 見えた! あれか?」

「そうです。今、破壊ポイントを表示しますから、
あなたと、仲間達の、魔力攻撃を可能なだけ、
撃ち込んでください!

 ――なにしろ、あれを、造ったのは、
神に等しいチカラを持っていた時の、
オリジナル『鹿目まどか』ですから、
――破壊するには、かなりの、魔力攻撃が、
必要ですよ」

「分かった! とにかく、やってみよう!

 ――む? あそこだな! 破壊ポイントは!」
 初代リインフォースが言った通り、シグナムには、
『戦いの因果の糸』の一部が赤く光って見えた。

「――ほむら! 暁美ほむら!」
 シグナムが、ほむらに、念話通信を入れた。
 
「シグナムさん?!」

「解決方法が、分かった!

 ――私が、その、まどかを縛り付けている
『戦いの因果の糸』の破壊ポイントを
今から、狙撃する。

 お前達も、そのポイントに魔力攻撃を、
集中してくれ!」

「ええ? ――
 よ、良くは分かりませんが、――
まどかを、救えるのなら、何でもやります」

「それでいい!
 私がまず撃つ! ―― 続いてくれ!」

「はい!」
 シグナムの説明不足のおかげで、――
ほむらは、訳が分からなかったが、とにかく、
出来る事は、何でもやるつもりだった。

「ほむら?!
 シグナムの姐御、何だって?!」
 シグナムを『姐御』と呼んで、
慕っている、杏子がほむらに聞いた。