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ルック・湊(ルク主)

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行為



ルックが“泊まっていけば”なんて言ってくれて、湊はかなり喜んでいた。
テンションも高いまま、ずっと部屋で色々おしゃべりをする。さすがに晩御飯の時は食堂へ行ったけれども。
そしてお風呂も大浴場に行ったけれども。
だが脱衣所で服を脱いでいる時、湊はなぜか急に恥ずかしくなってきた。

「あれ?おかしいな。」
「ん?どうかした?」

湊が赤くなって首を傾げていると、ルックが服を脱ぎながら、湊のほうを見もしないで聞いてきた。

「え、うん。なんかね、急にルックの前で服脱ぐのが恥ずかしくなった。おかしいよね、いつもたいてい皆でお風呂、入ってるのに。」
「へえ。湊にもそういう感情があったんだね。おもしろい。」
「って、ひどい、ルック!てゆうか、おもしろいとか言いながら棒読みじゃん!!」
「変な事言ってないで、とっとと入りなね。」

気づけばルックは既にタオルを腰に巻いて大浴場に入っていった。

「あ、待ってよ、ルック!」

湊もあわてて服を脱いで、腰にタオルを巻く。
ガラッと開けると、湯けむりがもうもうと湊に押し寄せてきた。
そしていつも不思議だが、なぜか浴場のドアを開けると視線が一瞬集まるような気がする。そんなに皆って、誰が入ってくるのか気になるのかなぁ?と思いつつ湊はルックを探した。

「あ、いたいたールック。」
「ボーっと立ってないで、とっとと洗いなね。あと、僕はあんまり湯につからないから先にあがるけど、湊はちゃんと肩まで浸かって少なくとも50までは数えてね。そして移動するときはちゃんとタオルを巻く事。分かった?」
「分かってるよー、ルックってばいつもそう言うから、耳にタコだよ。今だってちゃんと巻いてきたでしょ?」

最初の頃、そのまま歩いていたらルックに呆れられた。そしてその後もメンドクサイ、とそのままでいたら、ある時からルックが怒るようになってきた。だから渋々、タオルを巻くようになったのである。
その後湊が無事(?)湯船に浸かったのを見届けてから、ルックはお先、とあがっていった。
湊もまじめに50までは数えてからあがる。いつもだったらもうすでにいないルックも、今日は待っていてくれた。

「えへへ、待っててくれたー。」
「まあどうせ同じとこに帰るからね。」

そう言って湊の手を持ち、またもや瞬間移動をした。

「いつもだったらめんどくさい、とか言ってあまり移動してくれないのにさー。」
「うるさい。髪、乾かすから、おいで。」

そう言って、椅子に座るよう促した。

「え、これだとルック立ちっぱなしになるじゃん。」
「別にかまわない。」
「なんでー。あ、こっちでいいじゃん、こっちだったらルックも足、楽でしょ?」

湊はそう言ってニコニコとベッドに座った。
ルックはため息をついた後、黙ってふちに座っている湊の背後に回り、膝立ちをして大きいタオルで湊の髪を包み込む。

「えへへ、楽でいいなー。いつもルックが乾かしてくれたらいいのにさー。」
「冗談じゃない、僕は君の小間使いじゃないよ。どうせいつもはちゃんと乾かしてないんだろ?」
「え、なんで分かんの?」
「いっつも前髪、跳ねてるだろ。まったく。」

そんな事を言いながらも、湊の髪をタオルドライしてくれているルックの手つきは優しい。
やっぱりルックって優しいよね。
そんな事を思っていると、ふいにルックの香りがした。
お風呂は同じなんだから、同じものを使用しているはずなのに、それでもルックの香りがする。
湊は急にドキドキしてきた。どうしよう、また変な気分になってきた。
もう、あの本読んだせいだ!!シーナのバカ!!
変な気分になったら困るんだよね。ほんとに。違う事、考えて収まってくれたらいいんだけれども、収まらないとほんと、困る。

・・・そう、今みたいに・・・。

「どうかしたの?」
「え?あ、うん・・・。その・・・ちょっと、シャワー浴びて来ていいかな?」
「は!?」

明らかに何言ってるの!?といった様子のルックに、湊はニヘラ、と笑った。

「えへ・・・その、えっと、収まんないから。」

あ、絶対呆れてる。だってルック、変な顔したもの!!
湊がそう思っていると、ルックが黙ったままタオルを取り、手ぐしで湊の髪を整えてくれた。
うわ・・・今そんな風に触らないで欲しい、と思っていると、ルックが湊の横に座る。

「そう。でも、シャワーは諦めて。」
「え、なん・・・っん」

え、と湊がルックを見たとたん、ルックにキスをされた。
そして下唇をペロリ、と舐められ、ルックが囁くように言った。

「収めたいなら・・・収めてあげるから・・・。」
「え?あ、あの、ルック・・・?」
「・・・どうやって僕が君を誘おうかとか思ってたんだけどね。・・・あまりにも君に隙がありすぎて、逆に困ったよ。仕方ないから、僕が君に誘われる。」
「え?え?何?って、僕、なんか誘った!?」
「ああ、それはもう、絶えず、ね・・・。ほんとその無自覚なところ、どうにかしてもらいたいよ。とりあえず、湊。」
「ん?っふぁっ?」
「もう、今さらダメって言っても後には引けないから。」

そう言って、ルックは湊を抱きしめ、またキスをした。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ