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ルック・湊(ルク主)

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反応2



「あれ?ルック。来てたんだー。どうりで石板んとこいないと思ったー。」

湊が部屋に入るとルックが椅子に座って何かを読んでいた。

「お帰り、湊。ちょっと聞きたい事があってね・・・。特に急ぎの用がないなら、こっちに来て座ってくれる?」

ルックにそう言われ、湊は何ー?と快くルックの座っているソファーまで来た。

「ここ。座って。」

ルックが自分の隣を差し示す。湊が赤くなってとまどっていると、“早く”と湊の腕をひっぱり座らせた。

「な、何?」
「とりあえず、それ。」
「え?どれ?」
「君のその態度だよ。昨日からおかしいよね?今までの君なら赤くなって躊躇するより、むしろ離れてって勢いだったと思うんだけど?」
「え?そ、そう?気のせい、だよ。」
「気のせい、ね・・・。でさ、こんな本、見つけたんだけど。」

ルックは今まで読んでいた本を湊に見せた。湊は本を見て“ブフッ”と噴き出す。

「あ、え、えとっ。」
「どうしたの?これ?」
「・・・シーナがメグから借りてきた・・・。」
「ふーん。で?読んだの?」
「う・・・うん。あ、でも!でもちょっとだよ、ちょこっとだけっ。」

湊が焦ったように言った。少しであろうが全部であろうがどっちでもいいと思うんだが、とルックは思った。そういうところが可愛い。
シーナの言っていた本はベッドサイドに置いてあった。隠しておかないところがまた、なんだか湊らしい。
中を読んでみると、シーナの言っていたとおり男同士の恋愛の小説だった。そして途中からけっこうな描写もある。

「で・・・?」
「・・・ん?」
「これ、読んで僕を避けるようになったって訳?」
「え?あっ、いやっ、そんなつもりはないよ!!た、ただね・・・その・・・。」

湊が隣で顔を真っ赤にしながら俯いて話し出した。

「僕・・・知らなくて・・・。男同士でも、その、え、Hな事、するんだって・・・。読んでびっくりした。で、でね、その後でルックが来てくれたとき、その、僕、その本の事思い出しちゃって・・・なんかルックと重ねちゃって・・・ついルックにこうされたらって思ったらドキドキして・・・。で、近寄ってきてくれた時もなんか変な気分になりそうだったから、その・・・。」

しょ、正直すぎる!
まさかここまで言ってくるとは。
ルックにしてみれば、もしかしたらこういう本を読んでつい緊張した、くらい言われるのかなとか思っていたが。
思わず何も言えなくて黙っていると、湊が続けた。

「だ、だからね、近寄ってほしくない、とか触れてほしくないとか、そんなんじゃないんだよ!?ただドキドキして変な気持ちになるからっ。他の人に対してはならないのにね?僕やっぱルックが大好きなんだなって思った。」

理性の神様がいるなら今すぐ助けて欲しい!
ルックは思わず口を片手で覆った。顔が赤くなっているのが自分でも分かる。

「・・・ルック?」
「ああ・・・。な、なんでもない。でも、ずっとそんな態度でいられるのは僕としても・・・」
「そ、そうだよね?ごめん!どうも変に意識しちゃって。ごめんね?そうだよね。それにあまり意識しちゃって変な気持ちになっちゃうと面倒なんだー、僕。」
「どういう意味?」
「うん・・・えっとね、その、僕さー、自分では出来ないの。」
「・・・は・・・?」
「だからね、冷たいシャワーを浴びるとかしないといけなくて・・・ちょっとメンドクサイ。」

ほんとこの天然どうにかしてっ!
さっきから誘っているとしか思えない。だがルックには分かる。湊は別に誘ってはいない。だからこそ、困る。
これが詩遠とかシーナだったら遠慮なんかしないのだろう。

「自分では出来ない、だって?ほんと湊は。だったらとりあえず、僕に言ってきなよ、僕がやってあげる。」

くらいの事は速攻で言ってそうだ。

「と、とりあえず・・・出来たら普通にしてくれたらありがたいんだけど・・・。」
「うん、そうだよね!?ごめんね、ルック。事情は話したし、僕が赤くなったり変になったりしても嫌わないでね!」

湊はそう言っていつものようにルックに抱きついてきた。
ここでいつもの湊ですか!
もうだめだ。ルックは思った。
だいたい我慢する意味、別にないよね?湊だって嫌だなんて思ってないとしか思えないし?
ルックは湊をひきはがし、肩を持つ。

「湊・・・」

そうしてゆっくりと湊の顔に自分の顔を近づけて・・・

「湊ーーーーーっ。」

バタン、と大きなドアの音がして、騒がしくナナミが入ってきた。
ギシっと固まっているルックを見て、“あ、ごめんね”とあまりにも軽い感じで謝った後、湊に“元気になって良かったね”などと話しかけている。
そうだった。
ここは湊の部屋。
このナナミとかナナミとかナナミなどがいきなり突入してくるであろう部屋。
他にもけっこう出入りがあるらしい。仲間とはいえ、警備はどうなっているんだ。
とりあえずルックは誓った。
ナニかする時は、絶対自分の部屋しかないな、と。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ