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ルック・湊(ルク主)

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知識



城に戻ると、大歓声が湊らを迎えた。
そんな中、湊はニッコリ笑った後倒れた。
ナナミが慌てて駆け寄る。レオナが湊の様子をみて、多分疲れだろう、と言った。

「医務室に運んであげて。」
「うお、任せろ。」

がたいのいいポルガンが運ぼうとしたが、ルックが遮る。

「いい。僕が運ぶ。」

そう言って湊を抱え、テレポートした。
医務室でホウアンが様子を見た後、やはり疲れだろう、と言う事だったので、ルックは再度テレポートで湊の部屋に移動した。そうして湊をベッドに寝かせる。

「・・・他に何もないなら良かった。あんな無茶して・・・。君がさっき倒れた時、生きた心地がしなかった。ただでさえ君は紋章を使った。おまけにあのルカと一騎打ちをするなんて・・・。・・・ほんとバカなんだから・・・。」

そう言いつつも、さも愛おしげに湊の髪をなでた。
そして湊の手を握りながらキスをする。いっそ自分の生気全部あげてもいい、と思いつつ。
そして少し湊の頬に赤みが増したのをホッとする思いで見ながら、湊のおでこにもそっとキスをし、ルックは消えた。

その後結局湊は1週間ほど伏せっていた。
いや、基本的にはどんどん元気にはなっていたが、軍師からゆっくり休むよう命令に近い指示が出ていたのと、後はもっぱら噂なのが、ナナミが毎日作って持って行くスープのせいだろう、との意見。
5日目くらいから面会も許され、湊の部屋には訪問者が絶えなかった。昼は色んな人とおしゃべりをして少し疲れても、夜にいつもルックがテレポートで来てくれてキスをしてくれると、実際に元気が出るのを、湊は嬉しく、だがほんとうに不思議に思っていた。
ただ、少ししゃべって、キスをしてくれた後は、ルックはなぜかいつもすぐに帰ってしまう。

「よお、湊。元気か?」

訪問者が少ない時間帯。湊がベッドで退屈そうに横になっていると、ひょこ、とシーナが顔を出してきた。

「シーナ。うん。もう全然いいよー。そろそろ身体もなまってきたよ。むしろ外出たい。」
「だろうな。まあ1週間ってシュウから言われてるんだろ?あと1日じゃん、我慢しろよ。そいやルックて見舞い来た?なんか昼間ずっと石板にいるんだけど。」
「ああ。ルックはね、いつも夜来てくれるよ?」
「お、マジか。」
「・・・?なんでニヤニヤしてんだよ。気持ち悪いんだけど。」
「・・・。はぁー。お前さ、その、ルックとさー、夜とか2人きりになって、なんも思わんの?」

湊が首を傾げて言った事に対し、シーナはため息をついた。

「え?なんも思わない訳ないじゃん!!すっごい嬉しい!!・・・なんで?」
「・・・救われねぇな、あいつ。」

シーナがボソリ、とつぶやく。

「は?何て言ったの?聞こえなかったよー?」
「いや。・・・そうだな。ちょっと聞くけどさ、湊ってその、アレは知ってんだろ?」
「アレ?どれ?」
「あー。なんつーか、うん。まあ、夫婦でいう、子作り、だな。」
「は?バカにしてんの?知ってるよ!それくらいー。なんなの?」
「うーん、お前、さっきから、つか普段から俺に対してなんか冷たくない?」
「気のせいだよ。」

ニッコリと湊が答える。
うわ、この子ほんと絶対いい性格してるよね?たまにほんとなんか黒いもの!!天然なのに黒い可愛いキャラって何それ!

「いや、うん。知ってるならなんでほら、ルックと2人っきりになっても平然としてられるんかちょっと不思議でさ。」
「・・・?平然とはしてないよ、ドキドキとかするよ?でも子作りとどう関係あるんだよ?」

まったくもって意味が分からない、と言った感じで湊はまた首を傾げた。
うわーなんで普通に知ってて、肝心なところが分からんのだろうね?・・・もしかして、男同士ではありえないって思ってるんだろうか?

「えーと・・・。湊はルックとその、そうゆう事、したいって、思わないんか・・・?」
「え、僕ら男同士だし?って、ちょっとシーナ?いくらルックが綺麗だからって、ルックは男なんだからね!?だいたい子供なんか出来るわけないじゃん!」

はい、決定ー。だめだこの子。まじ分かってねぇわ。ルックご愁傷様。そして何気にルックが女役かよ、それはそれで似合うけど湊相手だと笑える。

「・・・あー。そうだ。ちょっと、待ってろ。」

待つも何も、ベッドにいなきゃいけないんだけど、と湊が思っている中、シーナは駈け出して行った。
その後湊が退屈しのぎに本を読んでいると、シーナが戻ってくる。

「待たせたな!」
「別に待ってないよー。」
「ちょ、それはないよね?まあいいや。これ。」

そう言ってシーナは一冊の本を湊に差し出してきた。

「なぁに?」
「メグちゃんから借りてきた。まあどうせ退屈なんだろ?なかなかのお勧めを借りてきたんだぜ?じゃあ、俺そろそろナンパでもしてくるわ。」

シーナはそう言ってニカッと笑うと部屋を出て行った。腐ってるって知ってて良かったよー、などと不思議な言葉を言いながら。
湊は首をかしげつつも、受け取った本を開いて読み始めた。


「今日はもうだいぶ元気そうだね。」
「あっ、ルック!」

その夜もルックがふいに部屋に現れた。

「うん、もう全然大丈夫なんだって。シュウさんもおおげさだよね。」
「まあ湊は普段忙しいしね、この機会にゆっくり出来て良かったじゃないか。」

そう言ってルックはベッドに近づいてきた。
とたん湊が顔を真っ赤にした。

「・・・?何、どうかした?」
「あ、う、ううん!何にもない、何にもないよ!」
「?・・・髪・・・まだ濡れてるじゃないか。お風呂に行ったのなら、ちゃんと乾かしなよ。」

そう言ってルックが湊の髪に触れる。湊は俯いてビクッとなった。

「?ほんと、大丈夫?なんか様子が変なんだけど。って、髪、冷たいじゃないか。どんだけ経ったの?」
「あ、いや、その、冷たいシャワー浴びてきたから・・・。」
「は?何でまた・・・?」
「・・・だって収めるにはシャワーしかムリ、自分でとか出来た事ないし・・・。」
「は?」

湊の訳のわからない言葉にルックは首を傾げる。何を言ってるのか、皆目分からない。
不思議に思い、ベッドに座って湊を覗きこむ。とたん、湊がまた焦ったようになって顔を赤くする。

「本当にどうしたって訳、湊?」

「ほ、ほんと何でもないんだって!あんま近寄らないでっ!」

え・・・?

ルックは固まった。

今、何、と・・・?

ルックは足元から崩れおちるような感覚に陥り再起不能になるかと思った。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ