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ルック・湊(ルク主)

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会見



トランに向かう途中でサウスウィンドゥに寄った。湊がフリード・Yにサウスウィンドゥの話を聞いてる時、シーナがルックに話しかけた。

「おい。」
「・・・何。」
「お前さー、昨日ずっと午前中湊と部屋でいちゃいちゃしてたの?」
「・・・今すぐそのニヤケ顔を切り裂こうか?」
「え、顔はやめて!!俺の武器だから!!」
「・・・バカじゃないの?」

そのまま歩き出すルックにシーナはついていく。

「えー。だって湊が午前中ずっとお前の部屋にいたって言ってたぜ?何してたのん、ルッくん?」
「何も。本を読んでただけ。」
「え、何その放置プレー?おいおい、ちゃんと相手してやれよなー。しかも仕事してこいって追い出したんだろ?」
「うるさいな、シーナには関係ない。」
「えー。ケチー。」

ああ、追い出したとも。ルックは思った。
久しぶりにベッドに寝そべって本を読んでいたら湊が鍵を開けて入ってきた。ああ、そういえば鍵、持ってたっけ、と思ってると湊はニコニコとルックのそばにやってきて、あろうことか隣に寝そべってきた。
集中、できるか。
色んな意味で。
それに何かと話しかけてくるからホント本読めないし、と、黙らそうと思って隣に寝そべっている湊の腰に手を回して抱きよせキスをした。
唇をついばんでいると、湊がギュっとルックの腕らへんの服を握ってくる。
あまりに可愛かったのでついそのまま湊の舌を絡め取る。・・・湊の鼻から抜けるような甘い声が聞こえた。
そうして湊はルックの背中に手を廻し、しがみついてくる。
まずい事にさらに本なんかに、集中できなくなった。
唇を離すと湊がいつもより赤い頬でニッコリと笑って、ルックの胸元に顔をうずめてきた。

「ルック、大好き。」

ほんとうに、まずい。だけれども、今は朝。いや、朝でなくとも、こんなに無邪気に甘えてきている子をどうしろと。
そのうちに気持ち良さげな寝息が聞こえてきた。

「・・・なんの拷問・・・?」

本を読もうとしても頭に入ってこない。しばらくのち、ようやく目を覚ました湊はまたしゃべりだそうとしてきたので、いい加減軍主の仕事をしてこい、となんとか追い出すことが出来たという訳だった。

「つまらない事言ってないで、行くよ、シーナ。」

湊とフリード・Yが歩き出したので、ルックとシーナも後に続く。同じく待機していた腐れ縁達も腰をあげていた。
彼らはラタドにある川から渡し守に乗せてもらって小さな船で下って行き、バナーの村というところに着いた。とても鄙びた感じの村だが静かでいいところだった。村の中で、湊の格好をまねた小さな少年に会った。コウ、という名前の彼はどうやら湊を湊だと分かっていない様子で、湊の格好を見て、“お兄ちゃんも湊将軍が好きなんだね!”と言っていた。
そこを抜け、山道を登り、国境を目指す。
歩いている途中でなんだか隠されたような道を発見して奥に入っていくも、村がある?と思った時にはなんだか忍者のような者達によって追い出された。
湊あたりがものすごく気になってしかたない様子だが、もとトラン組は多分ロッカクの里だろうな、と思いつつ、後ろ髪を引かれている湊を先へ進ませる。湊は渋々先へ進んだ。
気持ちの悪いワームという巨大芋虫のようなモンスターを倒して先に進むと、ようやく国境に着いた。
国境では、どうやら腐れ縁やシーナ、ルックを知っている人が警備隊長をしているらしく、事情は分かったが都市同盟の人間を国内に自由に入れるわけにいかないから、と快く(?)案内してくれた。シーナに、レパントさんも、お前に“会いたがって”いるはずだからな、などと言いながら。
馬車で運んでもらい、着いた先はとても大きな街だった。グレッグミンスターというその街はとても活気がある様子で、3年前に戦争をしていたとは思えない感じであった。
湊らは大統領であるレパントと会見した。

「よく来て下さった、同盟軍のリーダー、湊殿。トラン共和国の大統領として歓迎いたしますぞ。さて、用向きはなんですかな。」
「トラン共和国との同盟を結びたく、お願いしにやってきました。」

湊は臆する事なくはっきりと言った。

「・・・・・・。湊殿。過去、この地が赤月帝国に支配されていた頃から都市同盟とは何度となく争いがあった。トラン共和国がうちたてられてからも内乱に乗じて侵攻してきたサウスウィンドゥ、ティント軍と戦いがあった。いわば、敵同士の我らに同盟を求める、と言うのですか。」
「・・・ええ。今ハイランドの皇王ルカ・ブライトは、都市同盟との争いに勝利をおさめれば、必ずここ、トラン共和国をも狙うでしょう。あの恐るべきルカを倒せるのであれば、私は敵同士だとおっしゃられる関係だとしても、簡単に頭をさげられます。」
「・・・湊殿。あなたは何ゆえに戦いを続けるのか?その理由を聞かせていただきたい。」
「ルカ・ブライトを倒し、この戦いを終わらせる為です。」
「ふーーーーむ。良く似ているな。私はこのトラン共和国の大統領を務めてはいるが、本来ならその座に座るべき少年がいた。かつてその少年に率いられて多くの者が戦いに身を投じ、この地に平和をもたらした。あの時の少年と同じ雰囲気があなたにも感じられます。もちろん、全然見た感じは違うのですが、ね。あなたも、多くの人々の希望をその身に受けているのでしょう、多くの人の願いを束ねているのでしょう。」

そうして大統領であるレパントは目を閉じて顔を上にあげた。それから向き直り、とある男に声をかけた。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ