二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ルック・湊(ルク主)

INDEX|40ページ/174ページ|

次のページ前のページ
 

出向



「お。湊、お前どこ行ってたんだよ。シュウが探してたんだぜ、つーか、自分で探さずに俺を使ってるが、な。」

湊が歩いていたらシーナにそう声をかけられた。

「えー。ルックに追い出された・・・。」
「は?」
「朝からね、ルックの部屋に入り浸ってたら、いい加減仕事をしろって追い出されちゃった。」
「ちょ、おまっ、何して・・・いや、まあ、この2人に限って、なぁ・・・。」

シーナがびっくりしたように何か言っている。

「なんだよ。僕らに限って、何?」
「へへ、まあ、いいじゃねえか。そういやルックもいつもの石板前にいなかったものな。とりあえず、行くぞ。」
「うぁーい。」

2階の広間に行くと、主要人物が集まって、何やら会議らしきものをしているようであった。

「湊どの。探しましたよ。今までどちらに?」

シュウが湊に気づき聞いてきた。シーナが内心、お前探してねぇじゃん、とか突っ込んでいる中、ビクトールがその後に笑って言う。

「ははは、湊だって自由にしたい時があるさ。なんたって、まだまだ遊びたい年頃だろう。」

するとシュウがジロリ、とビクトールをにらんだので、ビクトールは苦笑いをしてひきさがる。

「湊どの。この同盟軍のリーダーという立場にあられるのです。外出なさる時は十分にお気をつけ下さい。今のこの軍はあなたがいなければ、バラバラになってしまう脆いものなのです。お願いします。」
「ごめんなさい、シュウさん。」

湊のまるで子犬のような目や様子に誰もがほだされ、ほんわか、となる、が。

「でも外出じゃないよ。ずっとね、今日は朝からルックの部屋に入り浸ってたんだ!だって今日はルックがめずらしく午前中は休むとか言って部屋にこもってんだよ。だからここぞとばかりに、ね。」

ここぞとばかりに、何だー!!??
と内心で突っ込んでいる者は少なくないだろうと思われた。
どうやら湊とルックは最近親密らしいという噂はいたるところでたっていた。
ただ今までも湊はルックがお気に入りでよくパーティに入れていたし石板前にもしょっちゅういたから、あまり違和感がないが。
まさか理ない仲じゃないだろうな、などと言う者もいる。

「と、とりあえず、アップル、状況を。」
「は、はい。我ら同盟軍の兵力は25000ほど、これはハイランド王国軍の1軍団と同じです。王国軍には4つの軍団があり、そのうち、第1、3、4軍団が出陣しています。先日の戦いでキバさんが率いていた第3軍の2/3は失われましたが、残った王国軍がこの城に攻撃をしかければひとたまりもありません。」

フリックが言った。

「俺達の力が大きくなってきて、戦いの矢面に立たされることになったというわけだな。」
「ティント市は国境を固くとざし、いまだ立場をはっきりとさせていません。何度となく使者を送ったのですが、すべて無視されています。」

フィッチャーがそう言うと、ビクトールも難しい顔をした。

「グリンヒルは占領下、マチルダ騎士団はあの通りだしティントは、俺達を無視か・・・。これ以上頼る相手もいない、打ち止め、か・・・。」
「時間はあまりないぞ。皇王の座についたルカ・ブライトが前線にもどってきたらすぐにも戦いになる。」

リドリーも難しい顔をした。

「だったらオヤジに頼めばいいじゃん。」

そこにシーナがサラッと言った。

「お前の“オヤジ”に頼んだところで何になると言うんだ?とりあえず、そうだな、出ていけ。」

リドリーが呆れたように言った。

「ちょ、それはないよね?つか俺のオヤジはトラン共和国の大統領だぞ!!」
「何をつまらない嘘を・・・。」
「あ、リドリーさん・・・。一応・・・その人本当にレパント大統領の息子です。そのぉ・・・・一応。」

アップルがどこを見てるか分からないような目線で言った。リドリーはそれを聞いて唖然としている。

「な?つか、アップル!酷いじゃん、一応って何、一応って!」

まぁ、お前だしな、と腐れ縁2人は苦笑いをした。

「トラン共和国って??」

毎回色んな者が会議には参加するようにしている。今回出ていたチャコが聞いた。それに対してリドリーが答えた。

「都市同盟の南にかつて存在し、いくどとなく、都市同盟と刃を交えた巨大な赤月帝国。その最後の皇帝バルバロッサを倒して作られた新しい国だ。初代大統領は、レパントという男だが本来は、バルバロッサを倒した英雄、詩遠がその任につくはずだったと聞いている。」
「ふむ。トラン共和国と手を結ぶのは確かに悪くない考えだ。」

シュウが思案顔でうなずくと、フリード・Yが焦ったように言った。

「そ、そんなバカな。赤月帝国は、いやトラン共和国は名が変わったとはいえ都市同盟の敵であります。そのような相手と同盟を結ぶなど・・・」
「トラン共和国はかつての赤月帝国とは別の国だ。そして、我が同盟軍も都市同盟とは別の軍だ。同盟を結べぬ理由はない。湊どの。あなたのお考えは?」

シュウが湊に聞いてきた。

「同盟を結ぶの、悪くないと思う。今の僕らの敵はルカだ。赤月でもトランでもない。」

湊がリーダーの顔になって答える。そんな湊をニヤリと見て、シーナも同意した。

「俺もそれが良いと思うぜ。ところで、トランへはどうやって行く?俺は船でハイランドに入ったが、まさか南の荒野を抜ける気じゃないよな?あんなところ、人間の通る場所じゃないぜ。」
「そうかぁ?俺は3回くらい通ったが・・・。」

へ?といった風にビクトールが言うと、横にいたフリックが怒ってビクトールのほうを向く。

「あぁ・・・。そのせいでこっちは死にかけたんだ。」
「フリード、お前なら知っているはずだが?」

そんな2人を素無視して、シュウがフリードに聞いた。

「は、はい・・・。サウスウィンドゥの東、ラタドの街からトラン共和国へ行く方法があります。・・・しかし、わたくしはやはり・・・」
「いい加減にしろ。過去にこだわってどうなるという。サウスウィンドゥそのものがなくなるかもしれないのだぞ。」
「・・・分かりました。湊様。わたくしがご説明いたします。」

そうして湊らはトラン共和国へ向かう事になった。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ