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音楽レビュー

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perfect piano lesson『terra incognita』


 音が鳴るというのは一つの暴力である。一つの現前であり、その現前の背後にある雑多な他者を排除しようとするものである。だが、音楽は、自らを奏でることにより他者を排除しようとする、まさにそのことによって、他者を非在という仕方で指し示すのではないだろうか。perfect piano lessonの、同じ音程で切り刻むようになされるギターによる時空間の切断は、音楽の現前であると同時に隠れた他者を指し示すことではないのだろうか。

Walking down, walking down the slope so slowly.
 (「springstorm」より)

Screaming "I want to be loved by widows"
 (「morning spider」より)

 このように、観念的な記述というよりも、まさに身体的現前というものが、彼らの歌詞には良く出てくるが、これもやはり、「現前する私」というものをことさらに示すことで、逆にその現前する私に回収されない大きな広がりに私ならざるものとして接触するという、二重性を抱えているのではないだろうか。
 彼らの音楽は現前的であるがゆえに、そこから排除された隠れた他者、「私」に回収されない大きな広がり、そういうものを指し示してはいないか。そして、音楽におけるリズムや跳躍感というものが際立っているからこそ、そのリズムや跳躍において、現前と他者の二重性がことさらに示されているのではないだろうか。

作品名:音楽レビュー 作家名:Beamte