小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
マナーモード
マナーモード
novelistID. 29058
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

お下げ髪の少女 後半

INDEX|15ページ/27ページ|

次のページ前のページ
 

第10章 美緒の涙



 緒方は不安になる程の幸福感に酔いながら、杉原正成が注いでくれるビールを飲んだ。
「学校の先生が未成年者に……」
 そうは云うものの、美緒は笑っている。彼女の父も笑っている。緒方は、驚きながらも笑っている。
「師匠は国語の教師でしたね」
 眼の前には美緒が下ごしらえしたすき焼き鍋が、湯気をたてている。緒方はこんなに美味いすき焼きは、生まれて初めてだと思う。
「教えられてる中学生が可哀想」
「そうかも知れねえ。国語教師のくせに、文法ってえやつがでえきれえなんだ」
「お父さん。授業でもそんな風に喋ってるの?」
 そう云いながらも、美緒は笑みをたたえていた。
「当ったりめえよ。文句云われたらいつでも辞めてやらあ」
「そうなったら、美緒は勉強続けられないね」
「そのときはそのときだ。なんとかならあ」
 緒方は我慢できなくなって笑った。
「緒方君。美緒のことよろしくな」