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笑撃・これでもか物語 in 歯医者

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第2章 アメリカの巻

                      

 高見沢一郎は一介のサラリーマン。
 ある日海外赴任の辞令を受け、この南カリフォルニア内陸部にある小さな町に赴任してきた。そしてそれからもう一年が経つ。

 砂漠の熱い熱と乾いた風。眩し過ぎる陽光の下、幸いにも仕事にもすぐに馴染め、また友人も出来た。ここまでは一応順調であったと言える。
 しかし、ここ一週間ほど前から左下奥の親不知(おやしらず)がジクンジクンと疼いている。 
「あ〜あ、痛い痛い!」
 もう辛抱が堪らなくなってきた。
 高見沢は、この町のどこにデンティストがあるかぐらいは知っていた。そしてついに意を決し、現地の歯医者に行くことにしたのだ。

 日本ではよく歯医者さんのお世話になってきた高見沢。診療室の中はどういう構造になって、またそこではどういった治療がなされるのか、それくらいのことは日本では容易に想像できた。
 だが、ここは遠く離れた異国の地。アメリカの歯医者さんだ。一体どういう構造で、どういう仕組みになっているのだろうか。またどういった治療が受けられるのだろうか。それらのすべてが想像もつかない。 

 高見沢は不安で一杯だ。しかし痛さには勝てず、覚悟を決めて門を叩いた。