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放課後不思議クラブ・かくれんぼ

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今日は、地元の神社のお祭り二日目で、放課後の学校には、あまり人がいなかった。先生方も、そっちの方へ見回りに行っている。お祭りで、他校との小競り合いはよくある話である。
 私たちは、お祭り初日に遊びに行ったので、今日は校内活動に勤しむことにしようと言ったのは、いつも通り黒木である。黒木は人ごみが苦手だ。どんなに気をつけていたって、絶対にはぐれてしまうのである。実際、昨日も大変だった。……はともかく、人の少ない校内でしか、出来ない遊びがある。
かくれんぼだ。
あまり人が多いと、隠れる所も限定されてしまうし、隠れているのを鬼に告げ口されかねない。わけを知らない生徒からは、おかしな目で見られる。ということで、今日は恰好のかくれんぼ日和なのである。

「じゃんけんぽいっ」
リーダー・黒木と、彼を慕う希代の掛け声で、鬼を決めるじゃんけんをした。一回目はパー、パー、チョキ、グー、グー、グーのあいこ。二回目で、ミナと和馬がパーで負け、最後、二人の一騎打ちで、和馬が負けた。鬼は和馬だ。
「やったぁ!」
「くっそー……」
「鬼は和馬ね」
「七百十八数えろよ」
「ながっ!なにそれ!」
 そろそろ陽が落ち始めて、放課後クラブおなじみの、オレンジの刻だ。今日は快晴で、調子に乗った太陽が、目がちかちかするくらい明るいオレンジ色で地球の端から端を染めている。
 かくれんぼ―の怖い話はたくさんある。古い体育用具室に隠れた子が、とうとう見つけられなくて、そのまま骨になってしまっただとか、地下室に隠れていたら、そこにセメントが流し込まれそのまま埋められてしまったりだとか、かくれんぼの最中に火事が起こったのを気付かず、皆焼かれてしまっただとか。とりあえずは、火事にならないことを祈るばかりである。