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CROSS 第12話 『救出』

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第2章 脱獄



 山口と妖夢は階段を駆け降りながら、下からやってくる敵を排除していた。敵の中には、さっきのやつのようなタコ頭の悪魔もいたが、妖夢が楽々と斬り裂いてくれた。
「オレが助けに来るまでなかったか?」
「たぶん。でも、助けに来てくれなかったら、幽々子様に言いつけていましたよ」
「それは怖いな」(棒読み)
「…………」
山口と妖夢はそんなことを言い合いながら、どんどん下に進んでいった。この建物は複雑な構造になっており、下への階段が見つからないときもあった。そんなときは、山口がミサイルランチャーを使って、下のフロアへの穴を作った。超小型核ミサイルが爆発するたびに、建物全体が揺れた。
「……その武器って放射能が出てるんですよね? 大丈夫ですか?」
妖夢が不安そうな口調で、ミサイルランチャーを指さして言った。
「一応、『放射能除染薬』を持っているから大丈夫だよ。それにこのミサイルランチャーから出てくる放射能は、オレの世界の旧福島県にいる奇形牛の牛乳からぐらいの量しか出ていないから、ただちに健康に影響は無いよ」
「……その薬を後で私にもください」
「考えておくよ」
山口はそう言うと、できた穴から下へ降りた。妖夢もそれに続く。

 穴を降りた先は1階で、少しだけ広い空間になっていた。上から落ちてきたガレキと、さっき山口が撃ち落としたガーゴイルの焼死体が転がっていた……。後は外に出る扉を探すだけなのだが、その空間の中央に、大きな肉塊があり、それが邪魔で通れなかった。山口がその肉塊に近づくと、その肉塊の一部が音ともに光りだした。
「伏せろ!!!」
山口がそう叫んで、頭をさっと下げた瞬間、彼の頭の上を、鋭い矢のような魔弾が通り過ぎていった。その魔弾は妖夢のすぐ横の壁に当たった。石の壁に穴があいた。その肉塊は、死体が集まってできた悪魔だった……。妖夢が斬りかかろうとしたが、山口がミサイルランチャーを構えているのを見て、すぐ近く柱の陰に隠れることにした。
「くらえ!」
山口がそう言って、ミサイルランチャーの引き金を引いた。

   ピーピー!!! ピーピー!!!

 ミサイルランチャーから、超小型核ミサイルではなく警告音が発せられた。山口は肉塊の魔弾を避けながら、警告音を発し続けるミサイルランチャーの様子を見ていた。そして、彼は原因がわかったらしく、焦り始めた……。ミサイルランチャーからはかなりの量の湯気が立ち始めていた……。
「ヤバい!!! オーバーヒートしてる!!!」
その意味を理解した妖夢は、もっと遠いところにある柱に隠れようとした。
 山口は、肉塊に向かってミサイルランチャーを放り投げた。その後、彼は回れ右をして、妖夢が隠れている物陰に飛びこんだ。しかし、他の物陰に移動しようとしていた彼女に激突してしまい、彼は彼女に刀の柄で殴られた……。

   ドドドドドーーーン!!!!!!

 そのとき、耳をつんざくような大きな爆発音が、肉塊のほうから聞こえてきた。ミサイルランチャーが爆発したのだ。激しい炎が、大広間中に広がった……。