二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ユキナ・リュカ ~この世界~

INDEX|7ページ/22ページ|

次のページ前のページ
 

気持ち



普段はどうも首を傾げたくなるような事をしでかすユキナだが、なかなかどうして、やはり軍主を務められているだけはある。
リュカはそう思った。

一般兵からも、彼はけっこう慕われているようである。
実はけっこう一般兵たちとも、賭博場や酒場などで楽しくなれあっているらしい。
その場所に関してはどうかとは思ったが、自分もよく考えたらチンチロリンなどでけっこうお世話になったものだった為、あえてスルーしようとリュカは思った。
そしてただ普段そうやってなれあっているだけではこうも慕われないであろう。
戦場ではとても頼りになる軍主様らしい。

「あの時のユキナ様を見たか?」
「おお。あれはほんとに凄かったよな。まだ子供だっていうのになんて強さだよ。男でもほれぼれするぜ。」

この間酒場でそう言ってユキナを称賛している兵士達の話が聞こえてきた。
まあ、確かに彼は腕も判断力なども良かったな、とリュカもそれを聞いた時思った。
どうやら女性達にも人気があるらしい。

「普段はほんとおバカさんな事とかもされてるけどその様子も可愛らしいし、訓練の時なんかはほんっとにカッコよくってー。そのギャップも素敵よね。」

リュカが洗濯場を散歩してた時に誰かがそう言って話していたのを聞いた。

「君はけっこう皆に慕われているね。」

遅い午後のお茶をしていたときにユキナがやってきて嬉しそうにご一緒させてください、と返事もまたずに相席してきたときにリュカが言った。

「え、そうですか?まあ、皆この俺の魅力にやられちゃってるんですかね。」

ユキナは頼んだ肉まんを美味しそうに食べつつ、ニコニコとそう言った。

「よく臆面もなくそんな事がいえるね。」
「あはは、まぁ俺の性格です。でもマクドールさんもとても人気があるんですよ。」
「僕?ここで?」
「ええ。知らないんですか?俺はもう気が気じゃないですよ。男女ともども人気があるから。」
「なぜ君が気が気じゃなくなるか理解に苦しむが、それは知らなかったよ。」

リュカはお茶を飲みつつそう答えた。

「ええ、ひどいなぁ。俺が気が気じゃないのは決まってるじゃないですか。俺がマクドールさんを好きだからですよ。」
「?ああ、それはどうも・・・」
「軽くかえさないで下さいよ。俺の好きは恋愛の好き、ですよ。」

その瞬間飲んでいたお茶をふきそうになり、リュカはせき込んだ。

「大丈夫ですか?」

ユキナはリュカの背中をさすった。

「いい。だ、大丈夫、だ。っていうか何言ってるの?君は!?」

動揺しつつ慌てて周りをみるリュカに、ユキナはニッコリと答えた。

「そんな慌てないで?大丈夫です、こんな中途半端な時間ですからね、運よく誰もいませんよ。ていうかそんな動揺しなくても。」
「動揺くらいするよっ。何考えてるの?ふざけないで。」

リュカは赤くなってジロリとユキナをにらんだ。

「えー、ひどいなぁ。俺は本気ですよ?いくら人にいい顔する俺でも、誰にだって好きなんていいませんよ。本気でマクドールさんが好きなんです。大丈夫、きっとマクドールさんも俺の事、好きになってくれますよ。」
「な・・・いったいなんの根拠があってそんな事を・・・」
「え?だって俺、なかなかいい男だし。」

相変わらず赤いままにらむように言ったリュカにたいして、ユキナはニコニコと答える。

「ふざけた事を。だいたい君は僕より年下じゃないか。それに・・・」
「年なんて関係ないですよ。俺はそんなの気にしません。マクドールさんが上であろうが、なかろうが。永遠を生きようが生きまいが。」
「・・・バカな事を・・・」

そう言ってリュカはふと顔をふせた。
ユキナはすかさず近づいてそんなリュカの顎を持ち、顔をあげさせて言った。

「バカな事?俺にとってはバカでもなんでもないですよ。俺は真剣ですから。今はマクドールさんがなんとも思ってなくても仕方ないですが、あきらめませんよ?」

ユキナはとても真摯な瞳をリュカに向けて真剣にそういった。
リュカが顔を赤くしてだまっていると、調子にのったのか、顔を近づけてきた。

「って、バカーっ」

思わずおもいっきりしっかりした一発をリュカはユキナにくらわした。

「まったく、ほんとにっ。」

そう言って、それでも顔を赤くしつつ、リュカは席をたち走って行ってしまった。

「イテテ、ちょっと調子に乗りすぎちゃったかな?」

顔をさすりつつ、ユキナはリュカが去っていった方を見ながら、ニコニコと言った。

一方リュカは思った以上に動揺していた。

「なんなんだ!?」

そうつぶやきつつ駆け続ける。
まさかユキナにそういう思いを告げられるとは思わなかった。
・・・しかもあんなに軽くあっさりと。
走りつつ、少し軽く飲んで自分を落ちつけようと、先ほどまではお茶を飲んでいたにもかかわらず、酒場に行く事にした。

「よぉ、リュカじゃねえか、珍しいな、こんな時間に。こっちこいよ。」

いつもいりびたっていそうなビクトールが声をかけてきた。横にいたフリックも、よお、と声をかける。

とりあえず頼んだ酒を一気に飲み干してから、リュカは言った。

「・・・お前ら、知ってた・・・?」
「な、なんだ?」

リュカのなんともいえない様子にフリックがびっくりしたように相槌をうった。

「彼が・・・彼が僕に言った!!」
「「は?」」
「だって、なぜか分からない!!何を考えて・・・それに何僕は動揺してるんだっ!?」

そこでふとリュカは我に返った。
僕は何を口走っているんだ!?これって人に言う事か?だがしかし、2人は話の続きを待っていた。

「あ・・・いや・・・その・・・」
「ああ・・・。ひょっとして、ユキナの奴かあ?ほんとこらえ性がないからなぁ。」

ビクトールがニヤッとして何かに気づいたように言った。
フリックはえ?とビクトールとリュカを交互に見る。

「まあ、悪く思わんでくれよ?あいつはあいつなりにきっとほんとの事しか言わねえよ。ノリの軽い奴だがな、誰にでも告白するような奴じゃねぇ。」
「ビク、知って・・・、てなんで彼だと・・・?」
「まぁ、お前さんを動揺させるような奴はそうそういねぇだろうしな、それにこれでも俺はあいつら姉弟の保護者みたいなもんだからな。これに懲りずにあいつを助けてやってはくれねえか?」

ビクトールが告白と言う言葉を出したのを聞いて、横でフリックも、ああ、と納得したような顔をしていた。
あの青かったフリックですら納得しているという事はよほどユキナは分かりやすいモーションでもかけていたのか?

「いや・・・ああ、うん、それはかまわないが・・・僕は・・・。」
「気にするなよ、あいつだって言って答えてもらえるとは思ってないだろうぜ。まあ、これからもなんらかのちょっかいはかけてくるかもしれんが、まぁ適当にあしらっておいてくれ。」
「なんだよそれ。」

だがなぜか気は軽くなり、リュカはその後も数杯をそこで2人と一緒に飲んだ。
翌日、リュカが腐れ縁2人と一緒に飲んでたと知ったユキナはずるいずるい、と2人やリュカ相手にだだをこね、うるさい、と、今度はグーによるパンチではなく、棍にてリュカに一発をくらっていた。